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樹木にまつわることわざ、言葉

樹木にまつわることわざ、言葉

人間は昔から生活の中で樹木を使っています。さまざまな道具を作ったり、薪炭として活用したり、建物を造ったり。樹木にまつわることわざや言葉そして法隆寺の宮大工の口伝などを紹介します。

 

■樹木にまつわることわざ、言葉


木もと竹うら

「竹は末(うら)から木は元(もと)から」ともいいますが、木材を加工する場合、木は根元から、竹は先端から割ると上手く割れ、割れ目もきれいになるということから、物事には効果的な手順や方法が存在するという古くからの教え
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松の木なら松の木に育てたらいい

経団連の会長などを務めた土光敏夫さんの言葉です。

土光さんの言葉は「ぼくは〝人間像〟なんて嫌いだ。個性をもって、人間らしく生きればいい。松の木なら松の木に育てたらいい。悪い枝を切り、虫がついたらとってやり、コヤシをやる。それが教育というものであって、松の木を杉の木に育てる必要は、どこにもないのである」

杉の木は真っ直ぐに伸び、柱としてとても有用です。でも松の木は捻れて育つので、柱にはなりにくい。ただ、松は捻れながら育っていくので耐久性があり、梁(はり)としては有用です。松の木が杉の木に劣っているわけではない。そんなことから生まれた言葉とのことです。

参考図書:稲垣栄洋. 「大事なことは植物が教えてくれる」 マガジンハウス
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■法隆寺の宮大工の口伝(くでん)

 日本最後の宮大工棟梁である西岡常一氏は、法隆寺大工の口伝(くでん)(注)として、以下を紹介しています。法隆寺は、飛鳥時代(592年〜710年)から奈良時代(710年〜794年)に世界最古の木造建築群が建てられました。多くの建物がヒノキを用いて作られています。

注:奥義や秘伝を口伝えで教授すること
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堂塔建立(どうとうこんりゅう)の用材は木を買わず山を買え

木が伐採されて製材されてから買うのではなく、自分で山に行って地質を見、環境による木の癖を見抜いて買いなさいということ。木の癖は山の環境によって生まれ、生える場所によってできる。また、一つの山で生えた木を持って一つの塔を作れ。あちこちの山の性質の異なる木をバラバラに買わず、その山の木をうまく使って一つの塔や堂を建てなさいということ。

 


木は生育の方位のままに使え、東西南北はその方位のままに、峠および中腹の木は構造材、谷の木は造作材に

 山ごと買った木をどう生かすか。その山の南に生えていた木は、塔を建てるときに南側、同じように北に生えていた木は北、西の木は西、東の木は東と育った木の方位のままに使えということ。そして、峠および中腹の木は太陽の光をしっかりと浴びて育ち、風も嵐も雨にも叩かれる環境で育っているので、木質が強く、癖も強い。こういう木は、柱や梁などの建物を支える部分に使いなさいと教えている。谷は水分も多く、光も嵐もそんなに強くないので、木は癖もなく素直に育つ。こういう木は、強さもないので、長押や天井、化粧板などの造作板に使えということ。

 


堂塔の木組みは寸法で組まず木の癖で組め

 建物を組み上げるには、寸法は欠かせぬものですが、それ以上に木の癖を組むことが大切。

 木の癖で組めというのは、左に捻れを戻そうとする木と右に捻れを戻そうとする木がある。それらを組み合わせて、部材同士の力で癖を封じて建物全体のゆがみを防ぐ。このことにより、法隆寺は1300年経っても建物をゆがまさずに持たせていた。

参考図書:西岡常一 「木のいのち木のこころ」草思社

 

人間は古くから樹木と共に生活をしてきました。樹木を扱うことに関するものですが、それ以外のことにもこれらの先人の知恵を応用できる内容が多いのではないでしょうか。

 他にも樹木にまつわることわざは「適材適所」「木に竹を継ぐ」「木を見て森を見ず」など数多くあります。



この記事を書いた人

高田裕司(たかだゆうじ)

中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター

経営コンサルタントとして、農業者支援と健康経営づくりに従事。
森林セラピスト、食と農のかたりべ(食農検定1級)として、皆が生き生きとなれるサポートを実施。
50坪ほどの家庭菜園で野菜づくりも。

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