森の中でヨガを楽しむ魅力~森林浴とヨガの相乗効果について~
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ウェルビーイングという言葉がいろいろな場面で使われています。2023年5月に閣議決定された第4期教育振興基本計画にもウェルビーイングが記載されています。そもそもどのような意味でどのような動きがあるのかについて、整理してみました。そして森林浴との関係について
紹介します。
◯ウェルビーイングとは何か
1 ウェルビーイングとは
ウェルビーイングとは身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいいます。
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標(SDGs)では、目標3「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)」に登場しています。
このウェルビーイングは、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など将来にわたる
持続的な幸福を含むものです。また、一人一人の個人が良い状態であるだけではなく、個人を取り巻く場や地域、社会が持続的に良い状態(社会のウェルビーイング)であることを含むと最近では扱われています。
2 なぜ重要視されているのかその背景
第4期教育振興基本計画では、そのことが以下のとおり書かれています。
「経済先進諸国において、GDPに代表される経済的な豊かさのみならず、精神的な豊かさや健康までを含めて幸福や生きがいを捉える考え方が重視されてきている。
OECD(経済協力開発機構)の「Learning Compass2030(学びの羅針盤2030)」では、個人と社会のウェルビーイングは「私たちが望む未来(Future We Want)」であり、社会の
ウェルビーイングが共通の「目的地」とされている。」
このように世界で目指しているものなのです。
◯どんな動きがあるのか
3 教育関係での動き
第4期教育振興基本計画(令和5年6月閣議決定)では、2040年以降の社会を見据えた教育
政策におけるコンセプトとして「持続可能な社会の創り手の育成」及び「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を掲げています。
そしてこの両者を今後我が国が目指すべき社会及び個人の在り様として重要な概念であり、
これらの相互循環的な実現に向けた取組が進められるよう教育政策を講じていくことが必要としています。
https://www.mext.go.jp/content/20230308-mxt_soseisk02-000028073_3.pdf
教育関係では明確に目指していくことになっています。
4 企業関係での動き
ウェルビーイングに含まれる幸せについて、幸せな従業員は不幸せな従業員よりも創造性が3倍高い、生産性が30%高い、欠勤率が低い、離職率が低いなど、多くのことが明らかにされています。
これらも踏まえ、従業員の健康増進等に係る支出をコストではなく「健康投資」として
とらえる「健康経営」が推進されており、長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現を
目標にした「働き方改革」も推進されています。
また、従業員の健康管理だけでなく、企業に関わる全ての関係者の幸福(肉体的、精神的、
社会的に満たされた状態)を追求する経営手法をウェルビーイング経営といい、神奈川県では、その普及のために令和5年度にウェルビーイング経営に係るモデル事業を実施しており、その内容をホームページで公開しています。
◯森林浴との関係
5 様々なリラクゼーション効果の一つ
ウェルビーイングに寄与する活動の一つに広義では様々なリラクゼーションも含まれます。
森林浴は自律神経を整えたり、ストレスを減らしたり、脳疲労を軽減したりすることが明らかになっています。まさにそれに該当します。
また、幸福度を向上させる方法の中に、植物や動物に触れることや散歩やスポーツをすることがあります。それらも森林浴に含まれる活動になります。
6 森林の多様性や美しい光景
森林内では、昆虫、植物、動物、菌類などの様々な生物がいます。そして、それぞれが
様々な生き方をしています。ひとことで言えば多様性ということになるのでしょう。この
多様な生き方について、驚かされることは数多くあります。
また、自然界の美しい光景に出会うことはそれ自体が精神的に良い状態になるのでは
ないでしょうか。
森林という場を用いて、チームがよりよい関係になるようなアクティビティを実施することにも筆者は参加しています。世界が目指しているウェルビーイングに向けて、森林は様々な活動の場として今後さらに広がっていくのではないでしょうか。
参考図書
ウェルビーイング 前野隆司・前野マドカ著 日経文庫 日経BP 日本経済新聞出版社本部
健康経営アドバイザー・エキスパートアドバイザー共通テキスト2023−2024 東京商工会議所
この記事を書いた人
高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。
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