
森は私たちのセラピスト〜七十二候が教えてくれる移りゆく自然の時間〜
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<小鳥の広場>
この日の箱根やすらぎの森は、気温19℃、曇り空に包まれ、湿度は75%と高めです。 この記事を書いた人 高田裕司(たかだゆうじ) 中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター 親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
7月とは思えないほど少し肌寒く感じます。
標高700メートルを超えるこの森には、ふもととは違ったひんやりとした空気と独特の雰囲気が広がっています。
入口では、ノリウツギの白い花が静かに咲いて迎えてくれました。
ノリウツギはアジサイの仲間ですが、一般的なアジサイよりも花の咲く時期が遅いのが特徴です。
これから、箱根やすらぎの森を五感で楽しんでみたいと思います。
1 視覚に関すること
2 聴覚に関すること
3 嗅覚に関すること
4 触覚に関すること
5 その他のこと
1 視覚に関すること
この時期は森の緑がとても鮮やかです。
一口に「緑」といっても、薄い緑、濃い緑、黄緑などさまざまな色があります。
「緑色が何種類あるか数えてください」と頼むと、
「30種類」とか「生えている植物の数だけ」などと答える方もいるほどです。
それだけ多くの色があり、私たちが使う言葉では表現しきれないほどです。
緑色を眺めているだけで穏やかな気持ちになっていく気がします。
また、樹木の上の方を見上げると枝や葉が風に揺れています。
その揺れは不規則でさまざまでいわゆる「ゆらぎ」をみることができます。
樹木をよく観察すると、実がなっているのが見えます。
箱根町の花であるサンショウバラ(ハコネバラ)や、
ガマズミ、クロモジなどは緑色の実がなっています。
地面にはヒノキなどの茶色い実も落ちています。
この時期は花が少ないのですが、紫色の花が咲いているムラサキシキブや
黄色い花を咲かせているイヌザンショウなども見ることができました。
2 聴覚に関すること
森の中ではさまざまな鳥の鳴き声が聞こえます。
「ホーホケキョ」と鳴くのはウグイス、「ツツピー」と優しい声はヤマガラ、
そしてちょっと騒がしく感じるのはガビチョウやソウシチョウです。
他にもいろいろな鳥の声が響いています。
また、セミの鳴き声も聞こえてきます。
今の時期、箱根町ではニイニイゼミやエゾゼミが鳴いているそうですが、はっきり区別するのは難しいです。
さらに、低く響く「ドーン、ドーン」という音も聞こえます。
これは自衛隊東富士演習場で行われている砲撃訓練の音で、この日は風向きの関係からか聞こえてきました。
3 嗅覚に関すること
この日の早い時間には周辺で霧が立ち込めていたそうです。
そのことも影響して、さまざまな香りが感じられます。
土の湿った香り、雨上がり特有の匂い、生木や落ち葉のやさしい匂いなど、
歩くたびに新しい香りが漂ってきます。
葉を触ってみると、どの葉にも少しずつ異なる香りがあることに気づきます。
とくにはっきりと感じるのはサンショウの葉で、触れた瞬間に力強い香りが広がります。
よく似たイヌザンショウはやや穏やかな香りです。
近くにはコクサギやクロモジなどもあり、それぞれの植物が独特の香りを楽しませてくれます。
イヌザンショウ(左上)とサンショウ(下)
4 触覚に関すること
森の中での風は湿度が高いのにもかかわらず驚くほど涼しく、肌に心地よく感じられます。
舗装されていない道を歩くと、柔らかな土やその下にある岩の感触が足裏から伝わってきます。
しばらく足元の感覚に意識を向けていると、心地よい変化が感じられ、日常のことを忘れてしまうほどです。
これがまさに“今ここ”に意識を向けるマインドフルネスなのかもしれません。
樹木の肌にも触れてみました。
ヒメシャラのすべすべした樹皮や、湿っているから感じられるスギのふわふわした樹肌は、
どちらも不思議と安心感を与えてくれます。
5 その他のこと
小鳥の広場の地面には、コケのように見えるクラマゴケという植物がたくさん茂っています。
名前に「コケ」とありますが、実はシダ植物です。
シダとコケの違いは、どちらも胞子で増えますが、シダには水や栄養を運ぶ「維管束」という組織があることです。
芦ノ湖の湖畔にも立ち寄り、背伸びをしてみると、とても気持ちよくリフレッシュできました。
森の静けさ、豊かな緑、鳥や虫の声、そして多彩な香りや風の感触など、
箱根やすらぎの森は、五感すべてで自然を感じられる特別な場所です。
日常の喧騒を離れ、箱根やすらぎの森や箱根町の自然に触れてみてはいかがでしょうか。

植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。

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