
静けさが深まる季節にこそ出かけたい”1月〜3月、箱根で味わう森林浴”
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ホリスティック(Holistic)という言葉は、ギリシャ語で「全体性」を意味する「ホロス(holos)」を語源としています。
そこから派生した言葉には、whole(全体)、heal(癒す)、health(健康)、holy(聖なる)…などがあり、健康-health-という言葉自体が、もともと「全体」に根ざしています。
現在「ホリスティック」は、「全体」「関連」「つながり」「バランス」といった意味をすべて包含した言葉として解釈されていますが、的確な訳語がないため、そのまま「ホリスティック」という言葉が使われています。
しかし、意味する内容は決して新しく輸入された考えではなく、もともと東洋に根づいていた包括的な考え方に近いものといえます。この考え方は、東洋医学では人は自然の一部であり、宇宙のリズムとともに生かされていると考えます。
私たちの体内を流れる「気」は、森を吹き抜ける風のように巡り、季節や環境の変化に合わせて微妙に変化していきます。
春には「肝」、夏には「心」、秋には「肺」、冬には「腎」、(各季節の終わりにある土用の時期には「脾」)…五行の理論に基づき、体の臓器も自然界のリズムと響き合っています。
体調の乱れや気分の不調は、自然の流れから少し離れてしまったサインなのかもしれません。森の中を歩くと、その法則がよくわかります。
木々は春に芽吹き、夏に繁り、秋に葉を落とし、冬には静かにエネルギーを蓄えます。
落ち葉はやがて土へと還り、微生物に分解され、新しい命の糧となる。そこには「滞り」も「無理」もなく、ただ穏やかに流れる時間があります。
森全体も呼吸をしていて、樹木は昼に光を吸い込み、酸素を放ち、夜には静かに代謝を整える。
そのリズムは、まるで大きな生命体がゆっくりと呼吸しているよう。木々の揺れ、土の匂い、湿度、鳥の声—それらはすべて、森が外へ向けて放つ“息”のように私たちの体へ触れてきます。
息を深く吸うと、肺が枝葉のように広がり、ゆっくり吐くと、根が地面へ沈み込むように安定していきます。森にいると自然に呼吸が深まるのは、私たちの自律神経が“この環境は安全だ”と感じ取るからだと思います。胸が開き、横隔膜は柔らかく動き、血流が整い、足裏の感覚が研ぎ澄まされる。
このように森の呼吸リズムに身体が同調していくのです。そして森の循環と同じように身体も常に再生を繰り返しています。
古い細胞が壊れ、新しい細胞が生まれ、血液やリンパは絶えず流れ続けています。
感情もまた、自然に湧き上がり、やがて静まり、次の感情へと移ろいます。もしその流れが滞るとき…それは森でいえば、乾いた土が増えたり、倒木が増えたりするようなもので、身体も心も、自然のバランスを取り戻したがっているサインなのだと思います。
ホリスティックな生き方とは、この「流れ」と「つながり」を取り戻すことかと思っています。
東洋医学の養生は、その具体的な実践でもあります。たとえば季節の食材を味わい、深く呼吸し、眠る時間を大切にする。それだけでも、内なる気の流れは少しずつ整い、身体も心も自然と軽やかになっていきます。
しかし、現代社会では便利さとスピードの中で、私たちはこの「自然のリズム」を忘れがちです。夜でも明るい街の灯り、絶えず届く情報、止まらない時間…知らず知らずのうちに身体のリズムが乱れ、心が息切れしてしまうこともあります。だからこそ、いま改めて「自然に還る時間」を持つことが大切です。
森に入ると、空気の香りや鳥の声、木々の揺らぎが五感をやさしく目覚めさせてくれます。それは単なる癒しではなく、私たちが地球のリズムに再び同調していくプロセスであること、人が呼吸を整えることは、森の呼吸と共鳴することでもあるのです。
肺は葉、血管は枝、骨は幹、足裏は大地に伸びる根。森に入るとその構造的な相似が響き合い、“本来のリズム”が蘇ります。森の呼吸を聴くとき、それは同時に 自分自身の呼吸を思い出す時間 でもあるのです。
~森の呼吸と身体を一つにする方法~
1. 動かず、まず立つ
足裏が地面に沈む感覚をゆっくり味わう。
2. 息を森に合わせる
木々の揺れる速度に合わせて、吸う・吐くを長めに呼吸しましょう。
3. 背骨を一本の幹として感じる
頭のてっぺんまで風が通り抜けるイメージで、背中に木があるように。
4. 聞こえる音を体の内側に通す
鳥の声や葉音が、体をゆるめる合図になります。
東洋医学が大切にしてきた「調和」と「循環」。それは、森の生態系そのものと重なります。
一枚の葉、一粒の土、一本の根。どれもが全体のバランスを支える存在です。人間もまた、地球という生命の循環の中で、その一部として生かされています。
ホリスティックの考え方は、そうした「いのちの関係性」を思い出させてくれます。
心が整うと体が緩み、体が整うと呼吸が深くなり、呼吸が深くなると、思考や感情まで変わっていく。一人の調和は、やがて家庭や社会、そして地球全体の調和へとつながっていきます。
そんな「人と森、地球のつながり」を感じる時間をみなさんと共有したいと思い、森林セラピストとして森へのご案内を続けています。
冬の期間も、自然の中で寒いながらに森を感じる時間を短時間でご案内することができたらなと思います。近くの公園でも自然は感じられます。ぜひこの方法を試してみてくださいね。
この記事を書いた人

渡邉綾(森林セラピスト)
森林セラピスト、ホリスティックケアプロフェッショナルスクール認定アロマセラピスト、看護師。
登山が趣味で、森が心身にもたらす効果を直に経験し、森林セラピストとなりました。
医療者として治療だけではなく、予防医療の大切さを実感しています。
看護師として、統合医療施設での勤務経験あり。
ケアルーム"Naturan"にて、アロマトリートメントによるセラピストとしてクライアントさんのケアにも携わっています。

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