
「秋の養生と森林セラピー」落ち葉が語る、秋の養生法
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草木が芽吹く春。暖かくなり、心も体もワクワクしてきました。
今年は寒暖差も激しい春となり、桜も長く楽しめました。
しかし、この寒暖差は大きく体に影響を及ぼします。
この蓄積してきた疲労が、5月になると、ホルモンや免疫、自律神経にも影響を与え、様々な不調が現れたりもします。
これが、よく言われる5月病です。
古代中国に端を発する自然哲学の思想では、万物は木・火・土・金・水の性質を持ち、互いに影響しあっていると考えます。
この五行説は季節にも当てはまられ、春は「木」の季節となります。五臓では「肝」に影響すると言われています。
「肝」は、血液を貯蔵する働きや精神的なストレスを受け止めてくれる働きを持っています。
ストレスのイライラや怒りの感情と密接に関係しています。
エネルギー源でもある「気」が肝の支配下でスムーズに働くことで精神的に落ちついていますが、この肝がダメージを受けることで気がスムーズに流れなくなってしまいます。
その結果、疲労が抜けず、気分の落ち込みやモチベーションの低下、不眠などの様々な症状が現れます。
また、この病の原因には5月の特有な気候も関連していると言われます。
急激に暑くなりはじめる5月、草や木が深い緑に染まり始め、日差しも夏のような強さが出てきます。
人も自然の一部であり、生理的に身体の変化を始めます。
その調節が上手くいかなくなり、バランスが乱れて体調不良を起こしやすくなります。
人は外気温や気圧の変化とともに、体の流れを変化させています。外界が変わっても自分自身を維持するための神経がよく聞かれる「自律神経」です。
急激に気温や気圧が変わると、この自律神経の活動が追い付かなくなります。
この自律神経の乱れが、過剰な緊張や興奮状態へと陥っていきます。
その結果、夜間に体が火照って眠れなくなったり、体がだるく重くなると同時にイライラや気鬱が起こりやすくなったりといった症状が現れます。
新年度の環境の変化や気温の変化によってのストレスで気が張り詰めている状態から、GWの連休へと急にリラックスモードに入ることが5月病の引き金になります。
そのため、今からストレスを貯蓄しないこと、1日の生活の中でのオンとオフの切り替えをつけることが一番の対策となります。
1日の疲れを次の日に持ち込まず、リラックス時間をしっかり持ち、良質な睡眠を取ることが重要です。
この自律神経のバランスを整える手助けをしてくれる方法の一つに芳香浴があります。この4月と5月こそ、是非、ご自宅でのアロマ時間を試してはいかがでしょうか?
緊張した1日を過ごした後に、自宅でリラックス時間を好きな香りで過ごすことで良質な睡眠につながります。
また、精油は、リラックスするためのものと認知される事が多いですが、香りには、自律神経の交感神経を優位にしてくれる作用を持つものもあります。
朝と夕で違う香りを嗅ぐ習慣をつけることで、1日の中でオンとオフの切り替え上手になれます。
朝 ペパーミント・ローズマリー・レモン
夜 ラベンダー・ベルガモット・ゼラニウム
上記は参考の香りとなりますが、何よりも大切なことは、自分自身が良い香りだと感じるものを、実際に嗅いでみて自分に合ったお守りアロマを見つけ出してみてください。
また、ふと開いた時間で近くの公園で自然の草木に触れる時間を持つこともお勧めです。
4、5月は街中でも様々な草木が花を咲かせます。観ていてもリラックスができますが、一度立ち止まり、新芽の柔らかさや花の香りを嗅ぐ時間を持つことこそが、本来ヒトが持っている感性を研ぎ澄まし、自律神経を整える大切な時間となります。
森の中でも、この時期は、ただ傍観する時間を多く取るように心掛けています。
森の中もこの時期はとても慌ただしいです。だからこそ、ゆっくりと過ごす。

寒い冬から暖かくなると、何かをしたい気持ちが高まり、どこかへ出かけたい気持ちも高まり、ついついアクティブに過ごしてしまいがちです。
気持ちがリフレッシュすることができても、身体は疲れている事を忘れず、休憩時間を是非取るように心掛けてみましょう。
五月病は、意識的に自分の体と心を労り、気持ちを切り替える方法を知っていることで防げるものです。初夏も明るく素敵な笑顔で毎日を過ごしていけるように今から試してみてください。
この記事を書いた人

渡邉綾(森林セラピスト)
森林セラピスト、ホリスティックケアプロフェッショナルスクール認定アロマセラピスト、看護師。
登山が趣味で、森が心身にもたらす効果を直に経験し、森林セラピストとなりました。
医療者として治療だけではなく、予防医療の大切さを実感しています。
看護師として、統合医療施設での勤務経験あり。
ケアルーム"Naturan"にて、アロマトリートメントによるセラピストとしてクライアントさんのケアにも携わっています。

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