
森は私たちのセラピスト〜七十二候が教えてくれる移りゆく自然の時間〜
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夏の樹木を五感のうち、特に視覚と聴覚で楽しんでみましょう。双眼鏡持参がおすすめです。暑い時期には、外に出るのが億劫になります。でも日陰の多い森林の中は、風も流れ、比較的過ごしやすいのではないでしょうか。そして人間にとって、リラックス効果やリフレッシュ効果のあるフィトンチッドの濃度が夏は一番高いのです。
おすすめなのは、スギ・ヒノキ・カラマツなど背の高い木を下から眺めてみることです。木の根元に寝そべってみたり、木に背中をもたれたりして眺めてみましょう。樹木が風に揺れてしなったり、木々の間から青い空を眺めていたりすると穏やかな気持ちになれます。
樹木はこの時期多くの実がなっています。夏の実は、緑色をしていることが多く、気づくのに時間がかかることがあります。でも不思議なもので、一つ見つけることができると次から次へと見えてきます。
柿やクルミなど食べるときには見慣れた果実も、木になっている姿を見ると新鮮ですよね。
他にもドングリやイチョウ、そしてクスノキの実など意識すればいろんなところで見つけることができます。
双眼鏡を持参するとさらに多くの実を見つけることができるでしょう。
夏、多くの実は緑色をしています。どうして緑色の実が多いのでしょうか。それは種子が熟すまでは、あえて目立たない色にしているからです。食べるのにも硬くて難しく、味も甘くないのです。実が熟して、内部の種子が充実してくると果実に色がつき、場合によってはいい香りをつけ、鳥や動物にみつけてもらいやすい色に変わります。そうして食べてもらって種子をフンとしていろんなところに撒いてもらうのです。子孫を増やそうとしているのですね。
幹を注意深く眺めていると、さまざまな昆虫が木の幹にいるのを見つけることができます。セミ、カブトムシ、クワガタそしてカナブンなどです。
これも実と同様、いることに気づきません。「きっといるはず」という思いで焦らずに眺めていると見つかることがよくあります。
昆虫たちは樹液に集まっています。セミはサクラなどのバラ科の木の幹に多くいます。一方、カブトムシやクワガタなどは、クヌギ、コナラなどの木の幹にいるケースが多いです。
ちなみに樹液は、樹木が進んで出しているものではなく、カミキリが傷をつけるなど何らかの理由で傷ついた部分を治すために出されるものです。
夏といえばセミ。様々な種類の鳴き声が聞こえてきます。主な鳴き声は以下のとおりです。鳴くのはオスだけなのです。
アブラゼミ :ジリジリ
クマゼミ :シャーシャー
ミンミンゼミ :ミーンミンミン
ヒグラシ :カナカナ
ニイニイゼミ :チー
ツクツクボウシ:ツクツクオーシ
この時期は、夏鳥であるオオルリ、キビタキ、カッコウなどが登場します。それぞれ、春から初夏のころ現われて繁殖し、秋に去る鳥です。特徴のある鳴き声です。
聴覚に集中した楽しみ方としては、「聞こえてくる音を数えてみる」のがおすすめです。「セミの鳴き声しかしない」と感じていても、セミの鳴き声には、どのくらいの種類があるのか、そして、セミ以外の音にはどんなものがあるのかに集中してみましょう。そうするといろんな音が聞こえてくるものです。
モクレンやコブシには、特徴的な実と共に毛皮に覆われた花芽が見えます。ふわふわした毛に覆われていますね。他にも花芽はサクラにも見ることができます。翌年の花芽や葉芽は、夏の間に形成されているのです。
暑い夏ですが、森林を楽しむいろんな方法があります。また、繰り返しになりますが、夏の森はフィトンチッドの濃度が高いです。
(詳しくは https://hakojo-lab.jp/media/2018/06/25/181)
虫除けや熱中症対策を十分に行いながら楽しみましょう。
この記事を書いた人

高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。

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