
森は私たちのセラピスト〜七十二候が教えてくれる移りゆく自然の時間〜
東洋医学には『天人合一(てんじんごういつ)』という言葉があります。人の体も自然の一部。七十二候が告げる小さな変化は、そのまま私たちの体の内側で起きている変化でもあります。そして日本には「七十二候(しち...
生えている樹種は地域差があります。気候やそれぞれの地域の条件に合ったものが優位を占めるからです。樹種が違えば森林の雰囲気が変わってきます。箱根は雨が多く、町内の高低差が大きいという特徴があります。今回は、標高1,000メートルあたりの箱根外輪山を歩いてみました。
箱根湯本駅周辺は標高100メートル程度。芦ノ湖の水面は標高723メートル。そして最高地点は1438メートルの神山山頂です。
箱根の降水量は、年3538.5ミリ(1981年〜2010年の平均)で、気象庁の公表している各観測地点の平年値の年降水量のランキングでは、全国で第6位となっています。
箱根スカイラインの入口手前にある長尾峠の駐車場(標高950メートル)に車を止めて、外輪山のハイキングコースへ。ここから乙女峠まで行って戻ってくる標高差約200メートル、往復約3キロのコース。
まずは、入り口から外輪山の尾根まで登ります。最近雨が多かったので、その影響もあるのかとても湿気が多い道。コケも多く生えています。湿気のある中でとても元気で、触ってみると湿気を感じながらの柔らかな感触でした。
尾根へ到着。ここからは尾根伝いに歩きます。道の両側にはハコネザサがあり、その間を歩いていきます。緩やかな上りが続きます。ドーンという音が聞こえてきました。本州の演習場では最大の自衛隊東富士演習場で行われている訓練の音です。尾根まで登るとはっきり聞こえます。
ふと前を見るとこちらを見つめている動物がいました。目があったと思ったらハコネザサの中へ消えてしまいました。テンだったと思います。野生のものははじめてみました。そして、羽が茶色と青のきれいなチョウが飛んでいます。そうですアサギマダラです。アサギ(浅葱)色とは、薄い藍色のことであり、名前はそれに由来するようです。標高の高い山地に多く生息するものです。
このあたりの樹種は、ウツギやミズナラが多いです。そして箱根町の木であるヤマザクラ、そして箱根町の花であるハコネバラ(サンショウバラ)も。このハコネバラは、花も幹もバラの中では最大級のものだそうです。
夏のこの時期には、花は咲いていませんが、よく見ると実がなっているのがわかります。赤い実が目立ちます。そうサンゴジュです。そしてヤマグリも落ちています。特徴のある小さなイガイガが落ちていました。ミズナラの木にもドングリが見えています。そして、マユミの実。これから赤くなる前の緑色です。
そんな樹木を楽しみながらふと見上げると大涌谷が見えてきました。そして、芦ノ湖もきれいに見えてきました。登りの疲れが吹っ飛びます。
標高1156メートルの丸岳に到着。ここからは乙女峠へ向けての下りです。様々な鳥の声を聞きながら歩いていくと乙女峠(標高1005メートル)に到着。神奈川県と静岡県の県境なので、2つの県の乙女峠表示版があります。そしてここは富士山の景勝地。絶景と呼ばれる富士山は残念ながら今回は見えませんでした。
来た道を今度は長尾峠の駐車場へ向かいます。まずは丸岳への上りとなります。先ほど通った道なので、どのくらいで到着するのかがわかっているからか、往路よりも楽な気分で歩けました。そして、見えるものも変わってきました。丸岳からの下りでは、雄大な景色が迎えてくれました。先ほどよりも雲が晴れていて、見通しもよくなっていました。

長尾峠の駐車場まで、往復で3時間。箱根ハイキングマップでは往復2時間と書いてありましたが、ゆっくりと時間をかけて楽しむことができました。
箱根には、他にも尾根から芦ノ湖畔へ降りるルートや標高700メートル前後にある仙石原自然探勝歩道など、さまざまな森林を楽しむコースがあります。このあたりも別の機会に報告しようと思います。
この記事を書いた人

高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。

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