~森は女子の味方~
はこねのもりからキレイ、始まる。

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春の兆しが立ち上がる

春の兆しが立ち上がる

ぽつりぽつりと、春告花

お日様が昇った!と思ったら、急かされるように地平線へと降りていく真冬。
比べればずいぶんと、日の入りがのんびりしてきたようです。
雪はいよいよ解け始め、雨がぬるみ、大地を潤す水が動き出します。
草木や動物や鳥たちもごそごそと、動き出しの合図を感じ取っていることでしょう。
身を縮め、ぴしっと閉ざされたような凍てつく世界から、ふわりとなにかがほぐれるように開かれていく気配です。

ヒメウズ

ふと足元にはヒメウズが、ひと足早い春の陽だまりをみつけて咲いています。
茎がすうっと天へ伸びた先に、乳白色の釣鐘ふうの花がちらり。
もはや開いているのかいないのかもわからないくらいです。
早い春を選んで咲いたそのたたずまいからは、ぎゅっとほとばしるエネルギーが伝わってきます。

アブラチャン

視線を上げてみると、寒空の下でかちこちの蕾を付けていたアブラチャンの枝先に、黄色いものが見え始めました。
うわぁ!春が来た! あたりを明るく覆うような満開の頃もいいけれど、ぽつりぽつりと咲く姿にもはっと心を掴まれてしまいます。
日増しに増えていく春が、そこここに立ち上がっています。


和ハーブブーケガルニとクロモジ団子の根菜トマトスープ



いっぽうで、“春は名のみの”風の寒さを痛感するのもこの頃です。
冬と春のはざまを行ったり来たり、うぐいすもフライングで鳴いてしまいそうです。

こんな時には、身体を温めつつ食物繊維もたっぷりいただける、週末リセットスープはいかがでしょうか。

今回はお仲間から届いた和ハーブたちをひとまとめにしてブーケガルニにしてみました。
香りだけでなく必須脂肪酸オメガ3とオメガ6のバランスも良いヤブニッケイの葉、“フェンネル”の名でもお馴染みのウイキョウの茎から葉、ひと株食べると1日寿命が延びる!?ボタンボウフウの葉。
そこに去年採っておいたクロモジの枝と、庭の常緑ユズの葉を添えています。
欲張りですが香りをもっと楽しみたくて、肉団子にはクロモジの香りを詰め込みました。


材料(作りやすい分量)

◆トマト水煮缶  1缶
◆コンソメスープ  1,000cc
◆にんじん  1本
◆ごぼう  1/2本
◆れんこん  1/2本
◆だいこん  1/4本
◆にんにく  2かけ
◆和豆(ひよこ豆などの水煮缶)  適量
◆鶏ひき肉  150g
◆和ハーブブーケガルニ  1束
◆クロモジ葉のパウダー  適量
◆オリーブオイル、塩、こしょう  適量

*ヤブニッケイのドライ和ハーブ、クロモジ葉のパウダーは「和ハーブスタイル」http://waherbstyle.jp (※オンライン店舗のみ)よりお求めいただけます。


作り方

1. 和ハーブの葉や茎、枝などをひとつにまとめ、タコ糸などで結びます。

2. 根菜(野菜)類は食べやすい大きさにカットします。

3. 鶏ひき肉に軽く塩・こしょうをし、クロモジ葉のパウダーを加えて練り、団子状にまとめます。

4. 鍋に火をかけてオリーブオイル、ニンニクを入れ、香りが立ったら2と3を入れて炒めます。


5. 4にコンソメスープ、トマト水煮、1のブーケガルニを加えて30~40分ほど弱火にことことかけます。

6. 全体の味を塩で調えて出来上がり。
和ハーブブーケガルニ

ほんのりスパイシー、だけどどこか和風な滋味のあるほっこりトマトスープができあがりました。

あつあつに温めていただきながら、植物図鑑の「春」のページをめくるのもまた、私にとって大切な時間です。

春はもうすぐです。


この記事を書いた人

平川 美鶴  (Mitsuru Hirakawa)

和ハーブライフスタイリスト 
植物民俗文化研究/(一社)和ハーブ協会 副理事長

8月2日“ハーブの日”生まれ。「和ハーブ」と日本人の関わりを、歴史・文学・薬効・自然風土・産業などから調査研究。講師業、商品企画開発、実践ワークショップを通じ、自然の恵みと共にあった先人の尊い知恵を生かし、未来へどう届けるかを考えるメッセンジャー。共著『あなたの日本がもっと素敵になる 8つの和ハーブ物語 ~忘れられた日本の宝物~』(産学社)、『和ハーブ にほんのたからもの』(コスモの本)
一般社団法人 和ハーブ協会(Japan Herb Federation) http://wa-herb.com

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