~森は女子の味方~
はこねのもりからキレイ、始まる。

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メンタルに最良の歩き方〜森の中、朝陽を受けて、気持ちよく〜

メンタルに最良の歩き方〜森の中、朝陽を受けて、気持ちよく〜
原稿を書くとき、筆者は机に向かってペンやキーボードを走らせます。
しかしながら、ときに筆が行き詰まり、次の用事もあり移動します。
すると、さきほどまで苦労して頭を悩ませていたのが不思議なくらいに、自然と頭の中にいいアイデアが浮かんでくることがあります。
さて、座って書いていても筆が進まないのに、あきらめ半分で歩き出すと、どうしてアイデアが浮かんでくるのでしょうか?

その秘密の一端は、「歩く」ことにあると思われます。今回は、歩くことの良さを見ていきたいと思います。


歩くことの良さ、森林セラピー

さまざまな研究者が、歩くことの良さを指摘しています。森林セラピーはもちろん、自然の中で歩くことの良さも多く指摘されています。
一方、歩くことの逆「座る」ことについては、座り過ぎは健康に良くないという指摘が、ここ最近多く見られます。

歩くことの良さの指摘は、研究者だけにとどまりません。私たちの多くも実感として持っていますが、先人もまた思索し、言葉としていくつも残しています。


偉大な思想は散策のたまもの

古代ギリシア 哲学者 アリストテレス(BC384-322)

アリストレスは、逍遥学派を創設しました。逍遥(しょうよう)とは、散歩のことです。アリストテレスらが散歩をしながら講義をしたため、そう言われています。
紀元前より、気持ちのいい場所を歩くと、頭がさえたり、いいアイデアが浮かんだりすると考えられていました。


米国 詩人・思想家 ソロー(1817-1862)

『ウォールデン 森の生活』など数々の著作を残している森の生活者ソローは、「1日に少なくとも4時間、ふつうは4時間以上、森を通り丘や草原を越え、世間の約束ごとから完全に解放されて歩きまわることなしには、自分の健康と精神を保つことができない、と私は思っています」(著書『歩く』より)とまで言っています。


ドイツ 哲学者 ニーチェ(1844-1900)

ニーチェは、「真に偉大なる思想は散策の賜物だ」(著書『偶像の黄昏』より)と言っています。

なお、日本で歩くということをまさに体現された方というと、俳人 松尾芭蕉(1644-1694)さんでしょうか。『奥の細道』では、約140日間でおよそ1,800kmを歩いたとされています。歩きながら、幾多の紀行や俳諧を著しました。


直立二足歩行がヒト(人類)を進化させた

少し別の視点からもみたいと思います。
歩くことが、私たちの「身体・こころ・頭」に良いことのヒントは、ヒトがヒトになったゆえんである直立二足歩行にもあるように思うからです。

ヒトの祖先が、チンパンジーなどの祖先から、生物学的に枝分かれしたのは、600〜700万年前くらいといわれています。
ヒトは、後ろ足で直立して二足歩行をすることで、手が自由に使えるようになりました。そして器用に道具を使ったり、作ったりすることもできれば、モノを持つこともでき、さらに身振り手振りでのコミュニケーションもできるようになりました。
身体構造上、直立することで頭が持ち上がり、重たい頭を支えやすくなりました。このことは、頭が肥大化し脳がさらに発達することを可能にしました。同じく頭が持ち上がったことで、喉からの発声がしやすくなり、言葉を豊かに話すことも可能となりました。
ヒトは直立二足歩行によって、手を使い、言葉を使い、また脳を発達させていくことで、ほかの類人猿とは違う大きな特徴を持つようになっていったのです。

フランスの哲学者パスカル(1623-1662)は人間は「考える葦(あし)である」*と言いましたが、「足(あし)で立って歩いて考える生き物である」とも言えるのかもしれません。


メンタルに最良の歩き方

さまざまな研究者の歩くことの良さに関する指摘を踏まえて、特にメンタルに関連するポイントを、4つご紹介します。


1.リズムよく歩く

うつ病の改善には、神経伝達物質のひとつセロトニンが一役かっています。このセロトニンを活性化させる方法のひとつがリズム運動。
たとえば、自分が心地よく感じるリズムで歩くことで、セロトニンが活性化されます。

2.朝陽を受けて歩く

また、セロトニン活性化には、朝陽を浴びることも有効です。朝陽を浴びながらリズムよく歩くお散歩は、一石二鳥です。
なお、太陽の光には、体内時計を調整する効果や骨を強くする効果のほか、近視予防効果もあると言われています。


3.背筋を真っ直ぐに歩く

さらに、背筋を真っ直ぐにすると、自律神経が整えられます。自律神経が乱れると不調や病気の原因ともなってしまいます。朝陽を浴びながら、リズミカルに、なおかつ背筋を真っ直ぐにして歩くことは、一石三鳥となり、さらに効果もあがることでしょう。


4.自然の中を歩く

森林セラピー基地や森林セラピーロードなど、効果が検証済みのところはもちろん、自然や緑のある空気のよいところを歩きましょう。
特におすすめは、市街地や道路などの日常生活ゾーンから離れたところで、午前中に歩くことです。なぜなら、自然の癒しの芳香物質であるフィトンチッド濃度が高いことがわかっているからです。


以上をまとめると、メンタルに最良の歩き方とは、
「天気の良い朝に、生活領域から離れた森の中ほどを、背筋を伸ばし、太陽の光を受けて、自分が心地よいと感じるリズムで歩くこと」

お勧めします!


*「人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」(パスカルの『パンセ』より)


  

この記事を書いた人

新行内勝善(しんぎょううち かつよし)

心理カウンセラー、森林セラピスト、精神保健福祉士。

東京メンタルヘルス社にて、メンタルヘルス相談や、心の病からの職場復帰をサポート。
職場復帰プログラムでは森林セラピーを導入。
また、スクールソーシャルワーカーとして小中学校の子どもたちと家庭をサポート。

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