街中が甘い香りで包まれるバレンタインシーズン。近年は空前のチョコレートブームで、流行りのビーントゥバーや高級メゾンのチョコレート、健康志向の方を中心に注目が集まっているローチョコレート等、様々なものが出回っています。そんなチョコレートの原材料となっているのがカカオ。カカオは栄養の宝庫で、女性にとって嬉しい栄養素も沢山含まれています。今回は知られざるカカオの魅了、今注目のローチョコレートについてご紹介します。
カカオの歴史について
<古代メキシコのアステカ帝国では、カカオ豆は<神の食べ物>と珍重され、通貨としても使用されていました。16世紀アステカ帝国を滅ぼしたスペイン軍がカカオ豆を持ち帰ったことにより、チョコレートはヨーロッパ全土に広まりました。苦いチョコレートはやがて甘いココアになり、1847年イギリスのフライ社がカカオペーストに砂糖を混ぜて、初めて板チョコを完成させました。日本は1878年に初めてチョコレートが製造されたと言われています。
ローチョコレートについて
カカオを摂取する時に特にオススメなのが、ローチョコレート。ロー(生)チョコレートと言っても、いわゆる<生チョコ>とは別物です。通常お菓子作りコーナー等で販売されているカカオパウダーやカカオバターは、ローストや高温で加熱処理されたものが販売されています。ですが、ローチョコレートに使用するカカオは、ローストや高温で加熱処理をせず、丁寧に乾燥や低温で加熱処理をしたローカカオ(生カカオ)を使用しているため、高温加熱によって栄養素が失われることがなく、カカオの持つ本来の栄養素を余すことなく摂取することが出来ます。
ローカカオに含まれる栄養素
ローカカオバター(生カカオバター)
生のカカオ豆をコールドプレスした、カカオの油脂部分。見た目はバターのように白く、手で触れるとじんわりと溶けていきます。抗酸化物質を多く含み、抗酸化作用や回復力をサポートしてくれます。心臓や血管機能等を高め、血流を良くする働きもあります。カカオバターの芳醇な香りはリラックス効果を高めてくれる効果もあります。
ローカカオパウダー(生カカオパウダー)
ローストしたカカオパウダーに比べて苦味が少なく、ビタミン・ミネラルが豊富で抗酸化力が抜群です。
ローカカオニブ(生カカオニブ)
47℃以下で丁寧に加工された生のカカオ豆をそのまま砕いたものがローカカオニブです。ローカカオの成分が丸ごと凝縮されています。そのまま食べられてチョコチップのような食感です。
このようにローカカオは、抗酸化作用に優れた、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富なスーパーフードの代表格です。糖尿病のリスクの軽減や心疾患のリスクを下げるマグネシウムも豊富に含まれています。ポリフェノールや鉄分も多く含んでいるため、アンチエイジングや美肌効果、貧血予防にも効果的です。そして、恋愛をした時のうきうき感や高揚感の元となる、PEA(フェニチルアミン)を含んでいる点も大きな特徴です。そのためフェニチルアミンは<恋愛ホルモン><ときめきホルモン>とも言われています。
<チョコレートを食べ過ぎるとニキビが出来る>なんて言葉を一度は耳にしたことがある方も多いはず。ローストや高温で加熱処理されたカカオを使い、さらに時間が経って酸化したチョコレートが原因とも言われています。今年のバレンタインは、栄養たっぷりなローカカオをふんだんに使ったローチョコレートを自分自身や友人、大切な人に贈ってみるのはいかがでしょうか。素敵なバレンタインをお過ごしください。
この記事を書いた人
張玉美(チャン オンミ)
○ローフードマイスター
○ヴィーガン&ロースイーツパティシエ
○全米ヨガアライアンスRYT200
リクルートにて美容事業に従事した後に、食とヨガの世界へ。乳製品・卵・小麦粉・白砂糖・添加物を使わずに作る植物性100%のVeganスイーツの製作販売と、ヨガインストラクターとして活動中。アレルギー体質でも安心して食べられる美味しいスイーツを日々研究中。