ランニングをするといいことはわかっているけどなかなか始められなかったり続かなかったりという声をよく聞きます。
私自身、ふとしたきっかけからランニングを始めて3年経過したところです。今では走ることが生活の大事な一部になっている実感があります。
箱根といえば2018年で第94回となる箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)の名前が出てきます。「走ること」は身体にも心にもとてもよく、森の中や公園などの自然をランニングのコースに入れるとさらに効果が高まります。
今回は、私自身の体験も踏まえ、どうやったら走ること(=ランニング)をやめないで続けられるのかをお伝えしていきます。
なかなか始められないし、続けられないのは?
ランニングをなかなか始められないし、始めたとしても続けられないのはどのような理由からなのでしょうか
その1:ランニングは辛いものという先入観がある
私自身「ランニングは辛いもの」という先入観がありました。それは、走ることはトレーニングであるという環境に長く置かれていたことに起因しています。中学生以降の部活動では、体力作りのために走ることを強制されます。そこでは、可能な限り短時間(つまり速いスピード)で走りきることが求められます。ですので「走ることは辛いもの」であり、「走ることは楽しむもの」ではなかったのです。
その2:何度か走り始めてみても三日坊主で終わってしまう
何かのときに思いたって走り始めることは誰でもできると思います。走り方は誰もが身についているので。でもそこで続けることがなかなかできません。「走るためにはまずストレッチをしてからでなければ足を痛める」「走るからには30分以上続けなければ効果がない」などが頭をよぎり、「今度しっかりと準備ができる時間があるときに走ろう」などと考え、結果として三日坊主で終わってしまうことがあります。
その3:走り始めてもどこかに痛みが出てくる
せっかく走り始めても、ひざや腰などに痛みが出てしまうことがあります。よく話を聞くのは、「ダイエットのために走り始めたのだが、ひざが痛くなって走ることができなくなった」ということです。「先に体重を少し減らせてから走ればよかった」などという話もよく聞きます。
じゃあどうやって取り組めばいいの
自らの体験も踏まえ、続けるために効果があると思われることをいくつかお伝えします。
その1:きっかけ作りをする
何かのきっかけはあった方がいいと思います。私自身のきっかけは横浜マラソンの10キロの部に夫婦ペアでエントリーしたことです。走っている友人は多く、走ることに関心はあったので、軽い気持ちでエントリーしました。ご存知の方も多いと思いますが、横浜マラソンの倍率は10倍以上と言われていたので、まさか当選しないだろうと思っていました。それが当選してしまい、一晩二人で悩んだ末、「これは走るしかないね」ということで二人とも50歳を過ぎている中で始めたのです。
その2:用具を揃えてまずは教えてもらう
用具としては、ランニングシューズを購入しました。まずはそれだけを揃え、ランニングの教室に通いました。それまで連続して10キロ走り続けた経験はありませんでした。また、30年近くまともに走っていなかったので、ひざや腰など、どこかを痛めてしまうことをまず心配したのです。教えられたことはとても役に立ちました。今の走り方はそのとき習ったものとは異なるのですが、基準となる走り方がわかるということはとても大切なことでした。
その3:早くではなく、ゆっくり走ることに取り組む
そのときに教えてもらった走り方で、早歩きと走ることを交互に行うことがありました。スピードは双方一緒です。結果として、ゆっくり走るということになります。これは私自身にとり、とても大きな出来事でした。ゆっくりでいいのだということ。このぐらいのスピード(会話が楽しめるスピードです)ならば息も切れず、長い間走ることができました。
研究者でありフルマラソンを何度も走っている田中宏暁氏は、歩くくらいの低速で走ることを「スロージョギング」と名付け、ニコニコペース(息を切らすことなく笑顔を保っておしゃべりできる上限のスピード)で走ることを推奨しています。
その4:走る前の準備や走った後の整理運動はほどほどに
「走る前にはストレッチなどの準備運動を、終わった後もストレッチなどの整理運動をしないといけない」ということがありますが、ゆっくり走る場合には、ほどほどでよしとしましょう。実際毎朝歩く前に準備運動、終わったら整理運動はしないと思います。それと同じやり方で。
その5:少しの時間で少しの距離でよしとする
「30分以上走らなければ効果がないのでやらない」などと言わず、継続して走ることを優先しましょう。1キロぐらいを6〜7分で走るだけでもいいとしてみるのです。走ることを日課としているも脳科学者の茂木健一郎氏は、「僕のランニングの最小単位は片道1分だ。近所のコンビニエンスストアまで走ることをランニングとしている(講談社「走り方で脳が変わる!」)。
その6:大会へのエントリー
大会にエントリーすることで、目標が明確になります。また、大会では多くのランナーと出会うことができ、とても楽しい気持ちになれます。意欲を維持するためにも計画的に大会にエントリーして参加してみることをお勧めします。
それではランニングの良いところは何でしょう?
ランニングの消費カロリーは体重×走ったキロ数で計算できます。つまり体重50キロの方が5キロ走ると250キロカロリー消費されることになります。それ以上のカロリーを摂取しなければやせることになります。
それ以外にも様々な効果があります。田中宏暁氏は著書「ランニングを始める前に読む本」(講談社)で、走ること、特にニコニコペースのスロージョギングには以下のことにエビデンスがあると述べています。
・体温調節能力が高まる・健康の指標である最大酸素摂取量が高まる・ニコニコペースの運動は高血圧の治療に有効・善玉コレステロールが増える・血糖値が下がる 脳科学者の茂木健一郎氏も著書「走り方で脳が変わる!」(講談社)の中で、「走ることで思考が整理され、ストレスが軽減する」と述べています。
私自身の実感としても、思考が整理される、前向きに取り組めるようになることを感じています。また、森の中や公園、そして街中を走ることはとても楽しいものという実感があります。
「箱根ランフェス」も2017年4月に第1回が開催され、2018年4月21日〜22日に第2回が開催されます。ランニングを始める・続けるいい機会になるかもしれません。
この記事を書いた人
高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。