冷えは万病のもと。心身の健康を維持するためには、体温を適正に保つことが大切です。
体温にもリズムがある
体温は、1日のうちで早朝が最も低く、次第に上がり夕方が最も高くなる自然のリズムがあります。このリズムは、気温や食事、運動や睡眠、女性の性周期や感情の変化によって変動します。
しかし、ライフスタイルの変化に伴ってこの正常な体温リズムが崩れている人が多くなっています。
夜遅くまで起きており、朝は出掛けるギリギリまで寝ている……なんて人は、体温のリズムが後ろへずれ込みやすくなります。
このように体温のリズムがずれると、朝はなかなか体温が上がらないため身体の動きが鈍くなり元気が出ず、逆に夜は体温がなかなか下がらないためなかなか寝付けず夜更かしをしてしまう......という悪循環が起きてしまいがち。
規則正しい生活を送るように努力することが体温リズムにとっても大事なことだといえます。
体温の維持は健康の要
私たちは「寒い」と感じると、その情報は神経を通って脳の中にある視床下部に伝えられ、自律神経を通じて体温が下がれば熱を作る指令、上がれば放熱する指令を発しています。
例えば、寒い時に体がカタカタと震えるのは筋肉を動かして体温を上げるためです。
また、暑い時には汗をかいて皮膚を濡らし、熱を体外に逃がして体温を下げます。このような体温調節作用は、自律神経の働きによるもの。
体内の働きは、37℃前後で最も効率よく進み、体温が1℃下がると効率が12〜20%ほど下がるといわれています。
体温が下がると身体の機能は全面的に低下し、内臓や筋肉、ホルモンの働きが落ち、体調不良へと繋がるのです。
低体温が普通になっている現代
身長や体重同様に、体温にも個人差があります。
江戸時代には平熱37℃は普通であったそうですが、最近では平熱36℃以下の人も多いそう。
私たちの生活は昔に比べると便利に発展しましたが、一方で、冷房の使用や食事の偏り、運動不足など身体を冷やす要素が多くなっています。
特に、体温調節機能の不調による体温低下には要注意。司令塔である自律神経のシステムが正常に働いていないので、下がった体温を上げることが出来ません。
自律神経は体温以外にも呼吸や代謝など重要な機能のコントロールをしているため、この機能の低下が低体温の大きな原因となります。
暑い日に冷房を利用することは良いですが、冷房に頼りきりにならず汗をかいて身体の機能を正常に使うことも大切です。
なお、がん細胞は35℃前後の時に最も増殖が活発になり、39℃以上になると死滅するといわれています。
がんを予防するためにも、身体を冷やさないようにし、体温を上げることが重要です。
体温を上げるために効果的なこと
①ホットドリンクを選ぶ
寒い外から、温かいカフェやレストランなど室内に入ると屋外との寒暖差で冷たいドリンクを頼む人も多いはず。そんな時には、温かいドリンクを意識して選んでみてください。寝る前や寝起きには、白湯がおすすめ。身体の内側からポカポカにしてくれます。
②足湯を楽しむ
服を着たまま全身を温めることが出来る足湯はお手軽温める方法。
大きめのタライやバケツに40℃くらいの湯を入れて、足のくるぶしがすっぽり隠れるくらいまで浸かると◎
映画を観ながらや読書をしながら、マッサージをしながら温められるので毎日の入浴をシャワーで済ませがちな人にもおすすめです。
自然豊かな箱根には、足湯をはじめ、温泉スポットもたくさん。リラックス効果のある森林浴は、体温調整の司令塔である自律神経を整える効果もあるといわれています。
休日には、温かい格好をして箱根の街に繰り出してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。