最強の温泉習慣 温泉足湯と松葉ジュース組み合わせ効能が凄いわけ
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蒸し暑い日が増え、いよいよ夏も間近。みなさんは、毎日ちゃんと湯船につかっていますか? 暑い時期はシャワーだけで済ませてしまいがち、という方も多いのではないでしょうか。
きっと誰もが一度は耳にしたことのある「湯船につかると体に良い」という説。たしかに、体の芯まで温まると健康に良さそう、でも何がそんなにいいの? どんな効果があるの? と考えてみると、なかなか明確な答えが見つかりません。
そこで今回は、東京都市大学人間科学部教授で温泉療法専門医である早坂信哉先生に「入浴効果と温泉療養」について詳しく教えていただきました。
―さっそくですが、湯船につかることで得られる効果を、医学的な観点から教えてください。
大きく分けて下記の3点です。
①温熱作用
3つのうち特に効果が大きいのは「体を温める」ということです。体が温まると血管が拡張し、心臓が血液を送り出す量も増える、つまり、血流が良くなるのは、みなさんもご存知ですよね。
人間の生命活動は「血流がすべて」といわれるほど、血液の働きは重要です。人の体には約37兆個もの細胞があり、その一つひとつの活動が生命維持につながっています。
細胞が健やかに活動するために酸素や栄養分、ホルモンを届けるのはもちろん、蓄積した老廃物や二酸化炭素、疲労物質など不要なものを回収しているのも血液。血流こそが健康維持の要といっても過言ではありません。血流改善には運動も効果的ですが、日常生活により手軽に取り入れられるのが「入浴」です。
②浮力
お湯につかると浮力がかかり、体が浮き上がります。肩まで湯につかると、なんと体重が約10分の1になる計算です。地球上で重力から解放されるのは、水や湯につかったときだけ。体が軽くなることでリラックスできるだけでなく、筋肉の緊張が緩み、関節への負担も軽減するため腰痛や肩こりなどを和らげる効果があります。
なお、浮力だけでなく、①の温熱作用によっても筋肉の緊張は緩和します。体を温めると神経の過敏性を抑えるため、神経痛などの慢性化した痛みにも効果的です。
③水圧
水圧がかかることで体の深い部分まで圧迫され、締め付け効果で血液循環が促進されます。特に効果があるのは下肢。お風呂に入ると足のむくみが解消するのは、下半身にたまった血液や体液が心臓へ押し戻されるためです。立ち仕事で足のむくみに悩まされている方は、ぜひ湯船につかってみてください。
以上の3点が、おもな入浴の効果です。体を清潔に保つことのみを目的とするなら、湯船につかることもシャワーも変わりません。でも、シャワーには「浮力」を望めず、「温熱作用」「水圧」による効果もわずかなもの。健康増進作用を求めるのであれば、夏でも毎日、湯船につかることが大切です。
湯の温度は38~40度ぐらいまでが副交感神経を刺激し、リラックスできます。一日の疲れを癒す夜の入浴や、安眠・健康増進・未病の観点からいえば、ぬるめのお湯に、のべ10~15分はつかるのが望ましい。42度以上になると逆に交感神経が刺激され、体は活動モードになります。
シャキッとしたいときには熱い湯が向いているのかもしれませんが、血圧の上昇やヒートショック、のぼせ(熱中症)、血栓ができやすくなるなど、体にとってあまり良いことがないため、専門医としてはおすすめしません。
交感神経が働くのは、おもに昼間。夕方からは副交感神経が優位になります。自律神経の動きにさからわないお風呂の入り方をしてほしいですね。
1.入浴前に水を飲む※1回の入浴で体外へ抜ける水分は約800ml! 脱水症状を防ぐために水分補給を
2.寒い時期は脱衣室を暖める ※温度差によるヒートショックを防ぎます
3.湯船に入る前にかけ湯をし、体をお湯に慣らす ※急な刺激で交感神経が優位になってしまうことを防ぎます
4.最初は半身浴。徐々に肩までつかる
5.汗ばんできたら湯船から出る ※体温が上がっているサイン。欲張るとのぼせてしまいます
6.湯船から出るときは、ゆっくりと ※急に動くと立ちくらみがすることがあります
7.お風呂からあがったら水分補給をしながら休憩をとる
―ところで、みなさんは、ご高齢の方ほど熱い湯を好む傾向が強いと感じませんか? 先生にたずねてみたところ、温度に対する感覚が鈍くなっていることも一因なのだとか。うちのおじいちゃんのことだ! そう思った方は、やんわりと忠告して自覚を促すなど、気を配る必要がありそうですね。
入浴を習慣化することで体温が上昇し、免疫力や基礎代謝がアップするなど、上記以外にも健康増進効果はたくさんあります。湯船につかるのは、思っていた以上に体に良いことがわかりました。<後編>では、「温泉療養」についてうかがいます。
この記事を書いた人
佐藤 奈穂子
フリーライター
大学卒業後、電子部品メーカーの営業部門、化粧品通信販売会社の販売企画部門、フリーランスのパーソナルコーチを経て、ライター業へ。美容・健康・カルチャー・ファッション・インタビューなど多分野の記事を執筆。現在は、企業のPR媒体を中心に活動中。
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