女性にとって「美しくある」とは?
女性の美しさって何でしょう?
今回は女性にとって「美しくある」ということについて2組の方々にお話しを伺いました。
まずは美容のお仕事をされている塚本裕丈さんの祖母 ま寿(ます)さん(享年100歳)をご紹介します。
生前は自分で材料を買ってきては手鞠や人形を作って知り合いにプレゼントするぐらい手先が器用、さらに96歳まではひとりで電車に乗って買い物にも出かけられるほどピンピンしていたそうです。
家の中で転んで近くの病院に入院後、寝たきりの生活を余儀なくされました。
入院生活が長引くにつれて、ボケが進み、孫である裕丈さんの顔すら分からないようになってしまったそうです。
そんな時、家族の女性陣でま寿さんの髪をとかし、顔そりをし、薄化粧をし、ネイルをしたりして「おばあちゃん、綺麗になったね~」って鏡で見せてあげたら、「ほ~、綺麗になった、綺麗になった」と笑顔になり、さらに、その瞬間、意識がハッキリと戻り裕丈さんの顔がわかるようになったそうです。
その頃、裕丈さんはすでに美容に関するお仕事をしていたそうですが「女性にとって「美」とはこれほどまでに「力」のあるものなんだ」ということを目の当たりにし、感動!
この出来事をきっかけに女性にとって美しくあるとは
「お肌や身体を健康的で美しい状態を保つ」だけではなく、
「女性の心を癒し、元気を与える」役割も大きいと感じているそうです。
体操教室ケンゾー倶楽部の皆さん
続いて50代~80代の女性で構成されている体操教室ケンゾー倶楽部の皆さんのお話しをご紹介します。
「みなさんは、ご自身が美しくあるために心がけていることはありますか?」
「家の中でじぃ~としていると老け込んでしまう感じがして…だからデパートのショーウィンドウを見に行ったり、お花でも良いし、綺麗なものを見るようにしています」
「綺麗なものを見ることで何か変わりますか?」
「60代、70代、年齢の節目を迎える度に肉体の老いを実感しています。それを心で受け止めながら、綺麗なものを見る事で気分転換にもなるし、外からの刺激は自分も美しくあろうという気持ちを思い出させてくれます」
さらに、みなさんのお話しからは年を重ねるにつれて細かいことを気にしなくなくなり、優しくなれた、許すことができるようになったなど精神面の成長を感じている方が多く、日々の暮らしの中に季節感を取り入れたり、感謝や感動など心を動かすことを大切にしていたり、女性にとって美しくあるとは顔や体だけを綺麗にするだけではなく「心も美しくある」「心がいきいきとキラキラしていること」も含めて、ご自身の美を保っているように感じました。
女性は変化していく体、老いていく自分と真摯に向き合いながら、その中でも自分にできる美を楽しみ、心を磨くことで、その年々の美しさが開花していくのかもしれません。
ほとんどの女性はいくつになっても「美しくありたい」と想っています。
常に何かを探求し、外の世界や人と関わる、恋をし続ける女性はいつまでも美しく、輝いています。
女性にとって「美しくある」ということは日々の原動力に繋がる無限の可能性や力を秘めたものなのでしょう。
この写真は夜明け前、箱根で撮った1枚の写真。
みなさんは、この立ち木を見てどう感じるでしょうか?
ただそこに在ること自然の流れに身を任せ、そこに佇む姿は凛とし、静寂の中に美しさを感じます。
人間も若い時のような華やかさや勢いが無くとも、それぞれの人生を全うしようと奮闘する姿は美しく、それぞれの命の輝きを放ちます。
その姿こそ自然の中で生きる真の美しさが垣間見える瞬間ではないでしょうか。
この記事を書いた人
龍崎 紗也加
ヨガインストラクター・はこねのもり女子大学講師
体と心に効くヨガを提案・実践中。
海の近くに移住し、ヨガ・サーフィン・野菜作りなど自然と親しむ生活を送っている。