
森は私たちのセラピスト〜七十二候が教えてくれる移りゆく自然の時間〜
東洋医学には『天人合一(てんじんごういつ)』という言葉があります。人の体も自然の一部。七十二候が告げる小さな変化は、そのまま私たちの体の内側で起きている変化でもあります。そして日本には「七十二候(しち...
こんにちは!私は神奈川県大井町で 無農薬ブルーベリー摘み取り園を展開しております小宮真一郎です。〔自然との共生〕をテーマに一歩一歩進んできた農園の歩みを紹介させていただきます。
今から20年前に 実家の約3000坪の杉山を開墾することから始まりました。植えられて約30年くらい経過した 杉を一本一本切り倒し、鬱蒼とした 暗い山が とても明るくなり、相模湾や小田原の街並みが はっきりと見えた時の驚きと感動は 今でも 鮮明に覚えています。
裸になった山地の 一番の見晴らしの良い高台に 一本の大きな欅を 近くの林から移植することが はじめの一歩でした。
そして 土地作りと 木陰を作ることを 目的に山桃の木の苗を十数本 各所に植えてゆきました。
普通 畑というと 農作物以外は、綺麗に除草して こまめに耕すという方法が一般的ですが、私は当時愛読していた 福岡正信氏の「自然農法」の本などから木々や果樹、そして草花も共生する 多様な動植物の生きる自然空間をイメージして進みました。
今から5年ほど前からの町と連携した 地域活性化事業の中で、私は自分の住む土地の 自然の豊かさを改めて認識しました。古来から生えているその土地本来の植生の常緑樹の古木が そして森が 神奈川県の中でも一番残っている土地であることを知り、その主木である「シイノキ」を紹介するような活動も始める中で 地域にこれらの森があることの大切さを深く学ぶことになりました。これら古木や森は「鎮守の杜」として 地域の寺院、神社、水源の上、あるいは小さな祠とともに祀られていました。調査、聞き取りの中で この森の木々が 深く根を張り、水を蓄え、土砂崩れを防ぎ、火事をも止めたという昔話も聞きました。まさに地域を見守っているネットワークを張っているように感じました。
農園を始めた時の[自然との共生]というテーマがより明確になり、そして自分の進む方向がより定まったのです。
それから 農園の端には シイ・タブ・カシを中心とする 土地本来の木々を少しずつ植え始め また 以前は刈ってしまっていた畑に生えてくる木々の若芽を残せる場所はできるだけ残すようになりました。
20年が経ち 最初に移植した欅の木は 何倍もの太さになり、植えられた若芽たちも5メートルにも成長するものもでてきて まさに[木のある農園]になりつつあります。
昔から 土地本来の木々のある場所は、人々の憩いの場であり、祭りなどが行われる集いの場であり、そしてその中心には祈りがありました。昔の人は 木々の役割を深く理解して感謝して 大切に残してきたのです。そんな先人の叡智を継承して、伝え、それを体感していただけるような場所にしてゆきたい!という夢が私に生まれてゆきました。
杉山は 開墾から20年経ち 年間数千人が 農園に集い ブルーベリーを中心にいろいろな果樹の収穫体験や、小さなコンサートも行われる空間になりました。
私は今 これから1,000年後のこの場所のイメージも抱きながら進んでいます。
〜相変わらず集う人々は 木陰に憩い 音楽に親しみ、大きくなった木々や 森もできたこの場所の空気を想像しています。
その昔《鎮守の杜》として 敬い継承されてきた地域の森は 各地で失われてゆく現状の中で 未来の人々が 木々と仲良く 自然と共生している姿が はっきりと見えています…
私の農園の展開も この五年で新たなステージに入り、静かな喜びの中に満ちています。
この記事を書いた人
小宮真一郎
1974年生まれ。神奈川県大井町山田出身・在住。農家。
自宅裏の山に生えていた杉山を開墾し、2005年よりブルーベリー旭として、ブルーベリー摘み取り 観光農園を経営。
元々美術を志していたが、挫折。【農業芸術論】のもと 岩手の農村で様々の芸術を紹介し、多くの童話を創作した 宮沢賢治に憧れ、
また 自然農法を提唱した 福岡正信氏などの 自然観に 傾倒して 〜農業と芸術の融合〜を目指して 場を整備しながら 活動している。
自らの住む 神奈川県大井町の里山地域の景観の 保全・継承を目指して、地元行政とともに、
地域に残る【鎮守の杜】や貴重な【水源】の紹介などにも携わる。

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