いつどこで感染するか分からないウイルス。感染を防ぐには、手洗いとうがいが欠かせません。それ以外の効果的な対策としては、体内の免疫力を上げて感染率を下げることです。免疫力は20才をピークに低下し続けると言われていますが、効果的な食事を摂ることによって、免疫力を高めることもできます。今回はウイルスから身体を守る、免疫力を高める食べ物についてご紹介します。
免疫力とは?
外から侵入した細菌やウイルスを撃退したり、体内のがん細胞を退治したりするために、体に備わっている防衛システムのことです。免疫力が高ければ、様々なウイルスや風邪などの感染症にかかりにくくなり、仮に感染しても症状が軽く済みます。
免疫力を上げる食品
1.チーズ・ヨーグルト・醤油・味噌・納豆・漬物・キムチなどの発酵食品
腸は免疫力の約7割を司っていると言われる最大の免疫器官です。腸内には沢山の腸内細菌が生息しています。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増えると腸の働きが良くなり、反対に、悪玉菌が増えてしまうと腸内の環境が悪くなります。
発酵食品には乳酸菌や納豆菌などの善玉菌が多く含まれており、腸内の善玉菌を増やす効果があります。腸内環境を良くすることは、免疫力アップに直接繋がります。
2.生姜・長ねぎ・にんにくなどの香味野菜
生姜の辛味成分であるジンゲロールには強い殺菌成分があり、加熱するとショウガオールという成分に変化します。ショウガオールは血行を促進し、主に内臓部分の温度を上げてくれます。加熱するとショウガオールが増えるので加熱調理するとより効果的です。生姜は内臓温度を上げる食品の代表格です。
長ねぎは焼くことで免疫調節効果が上がります。長ねぎの白い部分は、叩いたり切ったりすると細胞が壊れ、抗ウイルス作用のあるイソアリシンという成分ができます。青い部分の内側や白い部分の中心部にあるフルクタンという成分は、腸管内の免疫細胞に作用して免疫調節力を最適に保ちます。長ねぎを低温で加熱し油をかけると、抗ウイルス作用のあるアホエンという成分もできます。
にんにくに含まれるアリシンという成分には、強力な殺菌・解毒作用や血行促進作用、免疫細胞を活性化させる働きがあります。すりおろしたり、刻んだり、油で炒めたりすると、アリシンを効率よく摂ることができます。
3.海草類やキノコ類などの良質な食物繊維
きのこには、腸の働きを良くする食物繊維、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているので、免疫力を高めるためにはオススメの食品。さらに、きのこ類に豊富に含まれるβグルカンは、消化吸収されずにそのまま腸の免疫細胞に作用するので免疫調整作用があります。ビタミンDが豊富な干ししいたけもオススメ。
わかめ・昆布・ひじきなどの海藻類は、アルギン酸という食物繊維を多く含んでいます。又、豊富なミネラル・亜鉛・マグネシウムなども多く、免疫力アップに効果的な食品です。
4.緑茶・紅茶
緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが何種類も含まれており、抗ウイルス作用があります。緑茶は沸騰したお湯ではなく、少し冷ましたお湯で入れると、余すことなく栄養素を摂ることができます。
紅茶も同様にポリフェノールがウイルスの感染力を弱めます。ミルクを入れてしまうと、たんぱく質の影響でポリフェノールが機能しなくなってしまうため、ストレートティーかレモンティーがオススメ。
5.にんじん・かぼちゃ・トマト・ブロッコリーなどの緑黄色野菜
カロテン・リコピン・アスパラギン酸など、様々なビタミンや栄養素を豊富に含む緑黄色野菜も免疫力アップに効果的。できるだけ、季節に合わせて旬の野菜を摂ることがオススメです。
普段から免疫力を高める食生活をすれば、ウイルスや病気に強い丈夫な身体を作ることが出来ます。並行して、身体の冷えにも注意が必要です。せっかく免疫力を高める食品を摂るように心掛けても、体温が下がると免疫力も下がってしまいます。免疫力を高める効果的な食材を摂り、体温をしっかりと上げていくことで、ウイルスにも負けない健康的な身体を作りましょう!
この記事を書いた人
張玉美(チャン オンミ)
○ローフードマイスター
○ヴィーガン&ロースイーツパティシエ
○全米ヨガアライアンスRYT200
リクルートにて美容事業に従事した後に、食とヨガの世界へ。乳製品・卵・小麦粉・白砂糖・添加物を使わずに作る植物性100%のVeganスイーツの製作販売と、ヨガインストラクターとして活動中。アレルギー体質でも安心して食べられる美味しいスイーツを日々研究中。