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実山椒と遊ぶ、新緑のレシピ

実山椒と遊ぶ、新緑のレシピ

“木の芽”といったら?

 各地を訪ねさせていただく際、私は地元の方に「“木の芽”といったら何(の植物)ですか?」とお聞きしています。新潟のあるエリアではアケビの新芽を指すとのこと。さっと茹でてから出汁醤油であえて、かつおぶしを振ってね、最後にうずらの卵を落としてかき混ぜて食べるのよ。へーなるほど。風土と食のつながりの面白さに、思わずワクワクしてしまう瞬間です。

 いっぽう“木の芽”と聞いて全国的に多いお答えは、サンショウ(山椒)のようです。若葉の佃煮は白いごはんのお友。葉を両手のひらでパンと叩いて香りを出せば、フレッシュ和ハーブティーにもぴったりです。ミカン科植物らしい爽やかさで、口の中も胃もスッキリとします。

 そして5月から6月にかけては、サンショウの雌木につぶつぶの果実が成るのを見かけます。収穫の旬はとても短く、美味しい摘み頃はたった1週間ほど。なにごともタイミングが大事だなあと思います。加工の際には粒が鮮やかな青緑色でまだ硬くないもの、つぶしてみた時に果粒の中の種子がまだ白いもの、食欲をそそるような香りがスッと立つものを選びます。マーケットにも良いものが出回りますので、手に入ったら加工をしてストックしておけば重宝します。

 特に「塩漬け」は万能の和スパイス!我が家のキッチンで一年じゅう登場します。仕込み方の知恵は先人からさまざま伝えられていますが、ここでは私が植物の先生に教わって美味しかった方法をシェアさせていただきます。

実山椒の塩漬け

<つくりやすい量>
・実山椒 300g
・天然塩 仕込み用/100g と 保存用/35g

<作り方>
① 房ごと摘んで(枝のトゲに注意!)水洗いし、泥などを落とします。果実に付いた枝は取り外し、バラバラにします。
② ①がしっかり浸かるくらいのたっぷりのお湯を鍋に沸かします。沸騰したら①を入れてそのまま5分茹でます。
③ 茹でた果実をいったんザルにとり、冷水を入れたボウルに移します。1時間ほど浸けてアクを抜きます。
④ ③をザルにあげて乾かします。キッチンペーパーなどで水気を完全にふきとります。
⑤ ④に塩100gをまぶしてジップ付き袋に入れ、冷蔵庫に保管します。
⑥ 1日ほど経つと⑤の袋の中に水が上がるので、水分の半量を捨てます。そこへ新たに保存用の塩35gを足して、できるだけ空気を抜いた状態にし、冷蔵庫で保管します。
★果実が茶色くならないよう、保管時は毎回しっかりと空気を抜くのがポイントです。

和ハーブ・キッチン ―実山椒の塩漬け編―

先の方法で仕込んだ実山椒のアイデアレシピをご紹介します。ここではあえてじっくり塩抜きをせず、さっと水洗いした程度のものを塩こしょう代わりに使っています。スプーンの広い面などで果実を押し潰して使えば、サンショウらしい風味が引き立ちます。素材の個性と遊ぶように、自由なお料理を楽しまれてください。

和ハーブ香る 焼きポテトサラダ

ポテトサラダの和ハーブアレンジスタイル。実山椒の風味とヨーグルトの酸味がほどよく効いて、箸も進みます。

<材料>
・じゃがいも 2個
・オリーブオイル 大さじ2
・にんにく(潰して刻んだもの) 1かけ
・実山椒の塩漬け 小さじ1
・みょうが 2本
・しその葉 3枚
・えごまの葉 2枚
・マヨネーズ 大さじ1
・ヨーグルト 大さじ2

<作り方>
① じゃがいもは小さくカットし、オリーブオイル、にんにく、実山椒の塩漬けで軽くマリネしておきます。
② 弱火のフライパンに①を入れてじっくりと火を通します。じゃがいもの中心まで火が通り、ほんのり焼き目がついたら火からおろします。
③ ②をボウルに移して、潰しながら粗熱をとり、冷まします。
④ みょうがとしその葉は細切りにして、マヨネーズ、ヨーグルトと一緒に③に混ぜます。
⑤ 食べる直前に、えごまの葉を手で大きめにちぎってトッピングしたら出来上がり。


あじの和ハーブカルパッチョ

実山椒と魚の相性は抜群!さらに魚醤のちょっとクセのある味わいで、お酒のおつまみにも。

<材料>
あじ(お刺身用) 1尾分
実山椒の塩漬け 小さじ1
しょうが 半かけ
すだち 1個
えごまの葉 1枚
べにたで 少々 
麻の実(なければ すりゴマ)小さじ1
魚醤(なければ ナンプラー)小さじ1
オリーブオイル 大さじ1

<作り方>
① しょうがを細切りにし、実山椒の塩漬け、絞ったすだち果汁、麻の実、魚醤と混ぜる。
② あじはやや大きめのそぎ切りにして(お刺身用にカットされたものはそのまま使えます)、①とオリーブオイルを入れて全体を和える。
③ 皿にえごまの葉を敷き、その上に②を乗せ、べにたでを散らしてできあがり。


にんじん、しゅんぎく、びわの実の和風ナムル

切って和えるだけのかんたんレシピ。香りと彩りゆたかな素材に、旬の和果「ビワ(枇杷)」の甘みを添えました。

<材料>
にんじん 1/2本
しゅんぎく 3本
実山椒の塩漬け 小さじ1
びわの果実 1個
ごま油 大さじ2

<作り方>
① さっと水洗いして塩を落とした実山椒をボウルに入れ、ごま油と合わせておきます。
② にんじんは細切り、しゅんぎくは3cm程度のざく切り。ビワは皮をむいて中の種を外し、8つ切りにする。
③ ①に②の素材をすべて入れ、全体を混ぜ合わせたらできあがり。
★油が全体にまわって、ややしんなりしたら食べごろです。夏場には爽やかアップアレンジとして、すだちを絞って加えたり、粉山椒を仕上げに振ったりもおすすめです。

この記事を書いた人

平川 美鶴  (Mitsuru Hirakawa)

和ハーブライフスタイリスト 
植物民俗文化研究/(一社)和ハーブ協会 副理事長

8月2日“ハーブの日”生まれ。「和ハーブ」と日本人の関わりを、歴史・文学・薬効・自然風土・産業などから調査研究。講師業、商品企画開発、実践ワークショップを通じ、自然の恵みと共にあった先人の尊い知恵を生かし、未来へどう届けるかを考えるメッセンジャー。共著『あなたの日本がもっと素敵になる 8つの和ハーブ物語 ~忘れられた日本の宝物~』(産学社)、『和ハーブ にほんのたからもの』(コスモの本)
一般社団法人 和ハーブ協会(Japan Herb Federation) http://wa-herb.com

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