外に出るのに4〜5月は最適な時期。この時期の森林は日々変化しているのが特徴です。五感を使って変化を楽しむこと、それがこの時期の森林の楽しみ方になります。そのためには、同じ場所に何度も行くことがお勧めです。
桜の花が咲き、葉が出て実がなります
様々な種類の桜が楽しめます
桜の開花は3月下旬から始まります。開花の基準となる桜は、ソメイヨシノという品種です。他にも様々な品種の桜があり、順次花が咲きます。同じ桜でもカンザクラやソメイヨシノのように花が咲いてから葉が成長するものと、オオシマザクラやヤエザクラのように葉の成長とともに花が咲くものがあります。
5月にはサクラの実がなります
そして、なかなか知られていないのですが、5月には桜の実がなります。食用のサクランボも同じ桜の実なのですが、ソメイヨシノの実は、それほど美味しくはありません。
花を楽しむ桜の品種の中で、伊豆諸島や伊豆地方に自生するオオシマザクラの実は美味しいと感じる方が多いです。そしてオオシマザクラの葉は、いい香りがします。この葉の塩漬けが桜餅に使われます。
他にも様々な花が咲きます
ユリノキやホオノキは目立ちます
この時期楽しめる花としては、ユリノキやホオノキがあります。ユリノキは、別名チューリップツリーとも言われ、チューリップに似た黄色い花が咲きます。ホオノキは白く大きな花が咲きます、香りも強く、共に楽しめます。ちなみにホオノキの葉はホオバ(朴葉)と呼ばれ、香りがよく、殺菌作用があり、食用にも使われています。
イチョウやクヌギの花もこの時期咲きます
それから中々気づかれないのですが、イチョウもこの時期、葉の成長と共に花が咲きます。可愛らしい緑色の花があるので、ぜひ見に行きましょう。
クヌギ、クリ、スダジイ、コナラなどの花もこの時期に咲きます。よくある花のイメージとは異なりますので、注意して眺めてみましょう。
新芽や葉っぱを楽しめます
色や形の変化を楽しめます
いわゆる新緑の時期であり、色や形の変化が楽しめます。葉芽が芽吹き、若葉の際の黄緑色から葉の成長と共に緑色が濃くなっていきます。
青もみじを楽しみましょう
「青もみじ」とは、春の若葉からどんどん深みを増す、緑の若いカエデのことをいい、秋の赤いもみじよりも長い期間楽しめることが魅力と言われています。カエデ科の植物は4〜5月に花が咲きます。小さな目立たない色で可愛らしいものです。
常緑樹も新しい葉に生え変わります
常緑樹もこの時期に葉が生え変わります。新しい葉が出てきて、交代に古い葉を落としていくのです。新しい葉は茶色っぽいので、それが目印になります。クスノキは、4月に一斉に落葉して新しい葉に生え変わります。
新しい葉の手触りを楽しむ
葉の変化は、触ってみることで感じることもできます。葉芽から芽吹いた葉、その葉も最初は柔らかく、次第に硬くなります。
匂いや音を感じてみましょう
この時期は、花の匂いや、枝葉の匂いを楽しめます。常緑樹では、スギ、ヒノキ、モミノキ、クスノキは葉にいろいろな匂いがあります。触って揉んでみるとより強く香ってきます。落葉樹では、クロモジ、ダンコウバイ、前述したオオシマザクラなどはいい香りがします。枝の中では、クロモジやコブシがいい匂いです。
枝や葉は、落ちているもので十分に香りを楽しむことができます。採取に制限がある場所などでは、そのようにして楽しむことができます。
花の香りや、鳥の鳴き声、葉のざわめきなども感じてみましょう。
好きな木を見つけて、ゆっくり過ごしてみましょう
寒くないので、好きな場所で時間を過ごすことがおすすめです。
寝転んでみたり、気に入った木を見つけたら、それを触ってみたり、それを背にして座ってみたり、樹木の下に寝そべって、上を見上げてみるのもおすすめです。
風で枝や葉が動くのを見るのはとても気持ちがいいものです。
同じ場所を時期を変えて訪れるのが、変化を楽しむためにはお勧めです。
この記事を書いた人
高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。