早いもので2018年がスタート。
仕事始めや新年会と、忙しい時期にこそ大事にしたい食養生の基本を東洋医学の観点からお伝えします。
医食同源(いしょくどうげん)を念頭に置いた食生活を
「医食同源」という言葉をご存知でしょうか。
中国の「薬食同源」という言葉にヒントを得て唱えられた言葉で、「日常の食事こそが良薬」という意味の熟語です。
健康な身体を作るために食事は欠かせませんが、食べることは当たり前の行為すぎて、ついお腹を満たすだけの作業になってしまうことも多いはず。
「食べるものが身体をつくる」とはよく言いますが、これは真理。
特に、東洋医学では食べ物には積極的に未病※を治し、病気を予防する薬効があると考えられています。
※未病とは‥‥頭痛や肩こり、めまいや食欲不振、身体のだるさなど何かしらの身体的不調が自覚症状として継続的に続くにもかかわらず、病院で診断しても異常が見つからない状態を指します。
つまり、「病気とは診断されないが、健康でもない」いわば半病気・半健康といえる状態を”未病”と呼びます。
そして、”未病”は病気の状態に近づいている1つの過程であり、身体が発している警告でもあります。
日常から自分の体質や身体の状態に意識して”未病”を見つけていくことが大切です。
五味五性(ごみごせい)を活用する
東洋医学の観点で食べ物を分類する際の重要なものさしに、「五味」と「五性」があります。
「五味」とは、「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹(かん)」の5つの味を指し、「酸」はすっぱさ、「苦」は苦さ、「甘」は甘さ、「辛」は辛さ、「鹹」は塩辛さに分けられます。
また、身体を温めたり冷やしたりするなど、食べ物が持つ様々な性質を「性」といい、すべての食べ物は「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5つに分類されます。
温熱性の食材は、寒い土地や時季に採れるものが多く、寒涼性の食材は主に暖かい土地や時季に採れるものが多いといわれています。そしてその中間に位置する、温めも冷やしもしない性質の食材を平性といいます。
冷え性の人は温熱性の食材を中心に取ることが効果的といわれており、寒涼性の食材を使用する場合は温熱性の食材と組み合わせたり、加熱調理したり工夫することによって寒涼の性質を弱めることが可能です。
逆に、身体が熱っぽい症状には寒涼性の食材を摂ることで熱を収める効果が期待できます。
それぞれの症状に合わせてケースバイケースでバランスよく食べることが大切。
身土不二(しんどふじ)を大事にする
「身」とは人間の体、「土」とは環境を意味しており、人間の健康状態とその環境は切っても切れない関係にあるということを表しています。
例えば、寒い地域である北海道と暑い地域である沖縄では気温が違うため育つ食物やそこに住む人々の口にする食べ物が異なります。
寒い地域で育つ食べ物には主に身体を温める作用があり、暑い地域で育つ食べ物には主に身体を冷やす作用があるといわれており、そのため寒い地域の人が暑い地域で採れる特産物ばかり食べていると身体を冷やしてしまう可能性があるのです。
つまり、自分の住むその土地のものを食べることが、身体に最も合った食事ということ。
自分の身体に適した食物を中心にいただくことも大事なことなのです。
せわしない毎日の中でどうしてもないがしろにしてしまいがちな、当たり前のこと。
そんな当たり前な「食べること」を少しだけ丁寧にしてあげることで、こころや身体が健康でいられるかも。
食べることと同様に、呼吸をすることや心身ともにリラックスをすることも健やかに生活するための知恵のひとつ。
たまにはリフレッシュしに箱根の森林に遊びに来てはいかがですか。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。