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冬至を越えて、冬が深まるときの養生

冬至を越えて、冬が深まるときの養生

冬至を過ぎると、暦の上では「陽が生まれる」とされます。
日照時間はわずかに伸び始め、一見すると冬は折り返しを迎えたようにも感じられます。しかし、身体の感覚は正直です。冷えはますます増して夜は長く、空気はより澄み、重たく静かになっていくのを感じませんか?

東洋医学では、冬至は冬の終わりではなく、冬至は「陰が極まって陽に転じる」節目の日とされていますが、東洋医学では、まだ体感としては“陰が最も深まっていく入口”とも考えます。この時期こそ、身体は外へ向かうよりも、深く内側へ沈み、土台を整えることを大切したいと思う時期でもあります。

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二足歩行という「大地とつながる進化」
人が二足歩行を始めたのは、およそ700万年前。それは前へ進むための進化であると同時に、足裏だけを通して大地とつながり続ける構造を選んだ進化でもあったかと思います。人は進化の中で、大部分の時間を、裸足で森の中の土、落ち葉、湿った地面を踏みしめて生きてきました。足裏には多くの感覚受容器が集まり、環境の変化を即座に身体へ伝えます。冷え、湿り、地面の硬さ…それらを感じ取りながら、姿勢を整え、呼吸を調整し、内臓や自律神経の働きを自然に切り替えてきました。

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冬が深まるほど、「気」を下に保つことが必要
東洋医学では、冬は「腎」を養う季節。腎は生命エネルギーを蓄え、回復力や持続力の源となる臓です。冬至を過ぎて寒さが本格化すると、身体はますます「気を下に保つ」必要があります。しかし、現代の生活では、思考や情報、緊張によって、気は頭や胸に上がりがちです。その結果、どんどん足元は冷え、感覚は鈍くなり、身体の土台が不安定になります。

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グランディングは、冬にこそ必要な養生
グランディングとは、裸足で大地に触れることです。東洋医学的に見れば、これは日常の緊張などで上がりやすく浮いた気を足元へ戻す事で、腎を養うための、極めて理にかなった方法かと思います。
冷えた地面に足裏が触れると、刺激はツボでいう湧泉から腎経を通じて全身へ伝わり、気は自然と下へと導かれます。自然と呼吸は深まり、身体は「蓄える」冬のモードへ向かいます。短時間でも、足裏で大地を感じることは、冬の身体にとって大きな意味を持ちます。

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森林セラピーが冬の身体を支える理由
冬の森は、静かで、暗く、音が少ない。これは決して「何もない」のではなく、必要なものだけが残された状態です。
森林セラピーで得られる木々の香り、暖かな光、一定ではない自然音は交感神経を鎮め、腎が好む「陰」の環境をつくります。そこにグランディングが加わると、五感すべてが自然に開き、身体は無理なく内側へと整っていきます。歩く速度が自然と落ち、思考が静まり、足元の感覚が戻っていく。それは、人類が長い進化の中で身につけてきた冬の過ごし方そのものなのかもしれません。

冬至の先にある「本当の冬」は、冬至を越えてからが本当の意味での冬の始まりです。陽は生まれたばかりで、まだ外へは出てきません。この時期に必要なのは、無理に動くことではなく、大地に近づき、足元を感じ、内側を静かに整えること。森を歩き、大地に触れ、気を下ろす。二足歩行という進化の形は、私たちにその方法をずっと足元に残してくれています。

冬が深まる今こそ、身体を自然のリズムに預け、春に向けての力を静かに蓄えていきたいものです。

いつも以上にご自愛時間を大切に過ごしていきましょう。

この記事を書いた人

渡邉綾(森林セラピスト)

森林セラピスト、ホリスティックケアプロフェッショナルスクール認定アロマセラピスト、看護師。

登山が趣味で、森が心身にもたらす効果を直に経験し、森林セラピストとなりました。

医療者として治療だけではなく、予防医療の大切さを実感しています。
看護師として、統合医療施設での勤務経験あり。
ケアルーム"Naturan"にて、アロマトリートメントによるセラピストとしてクライアントさんのケアにも携わっています。



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