
東洋医学と月の満ち欠けにそった養生
森のリズムと女性の周期に寄り添う暮らしまだまだ残暑が厳しいですが、朝晩の涼しさが感じられる季節になりました。9月は、一年の中でも月がひときわ美しく輝く季節です。空気が澄み、夜空を見上げると大きく光る満...
森のリズムと女性の周期に寄り添う暮らし
まだまだ残暑が厳しいですが、朝晩の涼しさが感じられる季節になりました。
9月は、一年の中でも月がひときわ美しく輝く季節です。
空気が澄み、夜空を見上げると大きく光る満月に心を奪われる瞬間も増えてきます。
古来、日本では秋の月を愛でる風習があり、中秋の名月として豊穣や感謝を祈る行事も受け継がれてきました。
東洋医学の視点でも、月は単なる天体ではなく、私たちの体や心に影響を及ぼす大切な存在とされています。
自然界のリズムと調和した暮らしは、心身を健やかに保つための知恵であり、月の満ち欠けを感じながら過ごすことは現代の私たちにも大きな意味を持っています。
月のサイクルがもたらす心身の変化
月はおよそ29.5日の周期で満ち欠けを繰り返し、その引力は潮の満ち引きや植物の成長に影響を与えます。
私たちの体の約70%は水分でできており、知らず知らずのうちにこのリズムを反映していると考えられます。
東洋医学では「陰陽論」に基づき、自然界には常に陰と陽のバランスがあり、月の満ち欠けもこの陰陽の流れを象徴しています。
新月期:新しいスタートや心身のリセットに適した時期。
デトックスや静養がおすすめです。
上弦期:エネルギーが増し、学びや挑戦の意欲が高まる成長期。
運動や行動が功を奏しやすい時期です。
満月期:体と心のエネルギーが最も満ちる時。
感情の波やむくみも出やすいので、ケアが必要です。
下弦期:心身の整理と回復の時期。
無理をせず、休息と調整を大切にしたい時期です。
新月と木の伐採の知恵
現在、森の保全活動に携わっており、木の伐採に挑戦している私です。
伐採する日も、昔の日本の山里では、月のサイクルが意識されていたと言われています。
特に新月の日やその前後は木を切るのに最適とされ、「朔伐り(さくがり)」という言葉も残っています。
新月の頃に伐った木は水分が少なく、虫やカビがつきにくいため、建材や家具材として長持ちすることが知られていました。
これは木々の水分が月の引力の影響で減少するためとされ、昔の人々は自然のリズムを体感で理解していたのです。
山仕事をしていた人々は、月のサイクルを読み取りながら森と共に生きてきました。
月のリズムを意識した生活は、木材の品質や森の持続可能性を守るだけでなく、自然との調和を大切にする文化の一部でもありました。
こうした知恵は、私たちが今の暮らしの中で自然とどう向き合うかを考えるヒントにもなるかと思います。
女性の体と月のリズムの深い関係
女性の月経周期はおよそ28日。
月のサイクルとほぼ同じ長さであることは偶然ではありません。
◆新月期に月経が重なる人は
体を浄化しやすい「手放し」のサイクルに同調しており、心身を整えるのに最適な時期です。
体を冷やさず、温かい飲み物や食事で巡りを良くすることが大切です。
◆満月期に月経が重なる人は
生命エネルギーの高まりとともに感情の波も出やすい時期。
休息とセルフケアを意識することで、無理なく過ごせます。
排卵期は満月のようなエネルギーのピークを迎え、黄体期は下弦の月のように心身をゆるめる時期。
月のサイクルを知ることは、女性が自分の体調や感情の変化を自然なリズムとして理解しやすくなる方法でもあります。
東洋医学では「気・血・水」のバランスを整えることで、このサイクルをより快適に過ごす手助けをします。
森で感じる月のサイクル
森は月や季節の変化を五感で体感できる特別な場所です。
木々の香りは自律神経を整える働きがあり、鳥の声や風の音は「1/fゆらぎ」を持っています。
新月の森:
静寂に包まれた森で深呼吸をし、心身を浄化。
上弦の森:
緑に包まれながらウォーキングや軽運動でエネルギーを充電。
満月の森:
月明かりの下で足湯やリフレクソロジーを取り入れると、巡りが整います。
下弦の森:
木陰で読書や瞑想をして、体と心を静める時間に。
森で過ごす時間は、単なる癒しにとどまらず、自分の体調や心の変化を感じるきっかけとなります。
森林浴へのお誘い
はこじょの森で行う森林セラピーは、月や自然のサイクルを体感し、自分のリズムを調えるための特別な時間です。
ガイドの案内のもと、深い呼吸で森の香りを味わい、ゆっくり歩きながら五感を開くと、日々の疲れや思考の雑音が少しずつ解けていきます。
昔の人々が月のリズムを読み取り、森や木と調和して生きていたように、現代の私たちも自然のサイクルに寄り添う暮らしを取り戻すことができます。
夜空を見上げ、月の満ち欠けや森の変化を感じることは、心と体を整える養生そのものです。
はこじょでの森の時間は、あなたの体と心にとって新しい発見の旅となるでしょう。
来月10月6日(月)は中秋の名月。
この日にイベントを開催します。公開間近、楽しみにお待ちください。
この記事を書いた人
渡邉綾(森林セラピスト)
森林セラピスト、ホリスティックケアプロフェッショナルスクール認定アロマセラピスト、看護師。
登山が趣味で、森が心身にもたらす効果を直に経験し、森林セラピストとなりました。
医療者として治療だけではなく、予防医療の大切さを実感しています。
看護師として、統合医療施設での勤務経験あり。
ケアルーム"Naturan"にて、アロマトリートメントによるセラピストとしてクライアントさんのケアにも携わっています。
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