森の中でヨガを楽しむ魅力~森林浴とヨガの相乗効果について~
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あなたは最近、土の上を歩きましたか?
アスファルトの上ばかりを歩いていると、自然の中で人間は生かされているということを忘れてしまいます。
足元にある土壌の下の世界は菌や微生物の世界で、人間の腸環境(腸内フローラの菌)と似ていて発酵の豊かな世界が広がっています。
そんな土壌環境の世界に想いを馳せると、私たちの腸環境を良くするためのヒントが隠れていることに気づきます。そして、人生の見方がおおきく変わります。
先日、山をもつ知り合いの土地で水源が発見され、そこを本来の水源に戻すための、水源再生ワークショップに参加してきました。
日本各地で昔の土地と水脈を読み取り土壌改善をする高田宏臣さん指導のもと、高田造園のスタッフさんをお招きしての水源再生。
1日目は曇り、2日目はあいにく雨となりましたが雨天時は、傾斜地の泥の状態を観察し、水の流れを読み解くには絶好の機会とのこと。
昔から言われる百姓の生活を表す言葉に、<晴耕雨読>という四字熟語があります。
晴れの日は畑を耕し、雨の日は本を読む。
一般的にはこのような意味で知られていますが、高田さんによると<雨の日は土地を読むこと>だそうです。雨の日は水の流れがわかりやすくなるので、土地の水脈を読むのに適しているということ。
高田さんの視点からの膨大なエッセンスが、随所にちりばめられながらその場所にあるもの、稲藁や炭、落ち葉、竹などが人の手によって土に還される。
そうして人が自然に返すお手伝いをすることで本来の水源としての土壌が育まれます。土地が安定するための実践的で多様な視点を学ぶ貴重な体験となりました。
山の中に人が入るだけでも土地は傷つけられます。
何度も、何度も同じ場所を歩くことで土壌が踏み固められるからです。
したがって、今回の作業では入る人間が土地を荒らさないために歩く道に炭を撒くことから始めました。
地面に撒かれた多孔質の竹炭がクッションになり、土地を痛めない配慮を。
藁を並べてその上を歩くことでわらもクッションになり、土が踏み固められることを止めてくれます。
ぬかるんだ場所も藁が水分を吸ってくれるので歩きやすくなるそうです。
今回、こんなに泥だらけになる時は無いのではないかというほど土の上を実際に歩き、作業をしました。
そして、足の裏で土地の柔らかさ、硬さ、湿り具合などを感じてする作業はまさに百聞は一見にしかず。
足の裏の感覚をすませて土地を歩くと、アスファルトの上では感じられない自然を体感することができます。
かつて水路だったであろう、山際を30cmくらい掘ると山側の土に小さな穴が数箇所あり、そこから水がしみ出してきました。
高田さんが土地の水脈を読み、堀り進めると、昔の人が作った水路が現れてきます。
すると、大量の土砂が出ます。
さてその土はどこに捨てましょう?
その掘った土もまた環境を配慮した環境作りに役立つように有機物を土に混ぜてマウントを作りました。
今回のために用意したその土地で手配できる有機物(大量のわら、竹炭、燻炭、落ち葉)を使用して水路を掘った泥や土もマウントと言ってミルフィーユ状に重ねるのです。
そこには空気層ができ、微生物が住みやすい環境を作ってあげることで、余分になった土も土中環境を整えてあげると、土の中で微生物が働いて良い発酵が始まります。
そこに木の苗木を植えてあげると、たくさんの栄養が入った土壌になり、苗も育ちやすい環境となります。
今回濡れた落ち葉を袋に入れて数日前から置いてあったせいか、落ち葉がすでに発酵して熱を持ち、暖かく感じる場面が何度かありました。
掘った土でマウントを作る理由はその環境を守ること。
掘り起こした堆積土砂がそのままだと山崩れの原因になったり、土地の景観を損ねたりするので、移動した土さえも新しい環境に変化させます。
こうした人間がやった変化は数百年単位で、環境を整えてあげることが人間の役目だなと改めて感じました。
自然の中には真っ直ぐなものは存在しません。
ですが、現代の土木の世界では効率優先で川や水路の流れを自然の水脈とは関係なしで真っ直ぐになるものが多いです。
ビルも、建物も、水路も、道も。
自然の森には私たちが気づかない、揺らぎのなかでバランスが保たれているもの。本来、自然界にまっすぐなものは無いのです。
人間の都合で色々なことを進めてきて、森や、土壌や川や海や生物のバランスが崩れてきています。
それによって、自然の持つ再生する力や続いていくシステムが持続可能ではなくなってきているということに気づく人が増えてきました。
本来のカーブを生かした水脈を読む、土地を読むことは未来への切符となるのです。
自然の変化を五感で感じること。
人間は動物であることを自覚して、自然の営みに耳を澄ませ、目を凝らし、匂いを嗅ぐことで、見えない変化に気づきやすくなります。
昔の人は、自然と共に生きていて足元の土壌から季節の変化や、自然の大切さを感じたものです。
自然の水の流れ、風の通り道、五感で感じる四季の季節の変化。
人間は衣食住を大地からの恵みから素晴らしい恩恵を受け取っているはずなのに、現代の人々はその土の上を歩く感覚すらも忘れかけているのです。
腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。
それが体のそもそもの免疫力を高めてくれます。
そして土の中にも免疫力を高める土壌微生物の種類は多岐にわたります。
糸状菌、放線菌、細菌などの分類だけでなく、植物の生育に必要なタンパク質を分解する菌、デンプンを分解する菌、セルロースを分解する菌、植物に供給する栄養分別に分類することもできます。
土壌微生物の力を向上するには、彼らのエサとなる有機物を土に混ぜ込むことが重要です。
わらや、腐葉土など有機物を微生物が分解することによって、その生成物により土同士が結びつき、団粒化が進みます。団粒化が進めば、土同士のすき間が多くなるので、通気性や排水性の向上に結びつき、農作物にも良い土ができあがります。
また一緒に竹炭も土にすき込むことで、炭の空洞の部分が微生物や菌のマンションのようになり働いてくれるのです。
家庭菜園でもできる微生物の力を向上させる方法を最後にご紹介します。
これは雑草や市販されている発酵食品を活用した方法です。
まず雑草を刈り取ります。
耕す農地には、有機肥料や石灰、米ぬかを薄く敷いて軽く耕しておきます。そこへ刈り取った雑草を摘み、土を軽く被せます。
食べ終わった納豆やヨーグルトの空容器に残ったネバネバや食べカスをすすいだ水をまきます。
食べ終わった納豆やヨーグルトを積極的に有効活用することも可能です。
大容量のペットボトルに鶏糞や油粕を底から3~5cmほど入れ、そこへネバネバや食べカスをすすいだ水を加えて液肥にすることもできます。
2~3日発酵させた後使う場合には、500~1000倍ほどに薄めて水やりを行なうように与えてみましょう。
もちろん畑が終わった後の土へかけ、土壌再生のために活用するのもアリです。
微生物の姿は私達の目には見えないため、一見すると土壌で育つものの良い生育、土中環境に関わりがないように思えるかもしれません。
試してみる価値はありそうですね!
「分解」という役割を担った微生物の存在は自然の循環には不可欠。
微生物に限らず、その農地に存在している生物は、農作物に何らかの影響を及ぼしています。
そのため、自然や土中環境に益のある存在は積極的に活用するのがBESTです。人間も、微生物の分解無くしては、自分の中に栄養を取り込むことも、健康を維持するのも難しくなっていきます。
自然の生態循環に従うことは、長い目で見ると森や、水源、環境、木の生育を守るためには重要なことです。
ここから学ぶ私たちの腸の環境も、腸内フローラの多種多様なバランスを整えてあげるということが健康や免疫力向上に繋がると意識した、食生活やストレスと関わっていきましょう。
この記事を書いた人
山田 雅恵(やまだ まさえ)
旅する発酵料理家・ファッションデザイナー
旅と発酵の世界をこよなく愛し、発酵の醸し出す世界を広めるために日本各地、海外にて発酵を求め活動している。
文化女子大学家政学部服装学科卒業後、エスモードパリ本校にて学ぶ。ニースのコンクールにてクリエーション賞受賞。パリコレなどのフィッターを経験。帰国後にインディーズブランド立ち上げ、セレクトショップ、大手アパレルブランド数社のデザイナー、京都にて京友禅の着物作りを経て、デザイン企画会社を仲間と起業。
ファッションデザイナーでありながら、天然酵母のパンの発酵と自然の世界に魅せられ、発酵の世界へ。日本の麹の天才調味料、醤(ひしお)仕込み、活用の仕方を広げるべく、日本全国、フランスでも仕込み会を開催。衣食住・心を、発酵を通して、世の中良くしたいという思いで、神奈川県の鶴巻温泉をベースにして、日本全国で活動中。
未来の子供を食で学ぶキッズサイエンス、子供のものづくりの能力を引き出すアートクラスも各地で開催。古民家再生プロジェクトにも関わる。
2018年度より【お裁縫くらす】を日本各地で開催。お裁縫がある暮らしを提案すべく、使える日常雑貨などを作り、自分で愛着のものを作り身につけることを伝えることを使命として、活動中です。
「旅する発酵倶楽部」:https://yamadamasae.com/
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