温泉で身体を温めると免疫があがる?
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今回は「緑のダム」と呼ばれる森林についてご紹介します。
まず、日本にどのくらい森があるかというと、2020年時点、日本の森林面積は2493万5,000ha。世界の森林面積(約40億6000万ha)に対する割合は多くありませんが、国土面積に対する割合は68.4%、OECD加盟国37か国では、1位フィンランド、2位スウェーデンに続き、日本は第3位、森林大国です。
森林には、次のような機能や役割があり、私たちの暮らしを支えています。
「緑のダム」とは、一般に、水を貯えるダムの機能になぞらえて、洪水や渇水を防ぐ森林のことを言います。①水源かん養機能や⑤土砂災害防止・土壌保全の機能や役割をもつ森林といえるでしょう。
では、森林はどのようにして洪水や渇水を防ぐことができるのでしょうか?
図のように、森林がある場所では、雨は地面に吸収され時間をかけて上質な地下水を貯えます。
同時に、適度に調整された水量を河川へ流してくれます。
また、木々は根っこで地盤を支え、落ち葉や下草は雨による地表の浸食を防ぐことで土砂崩れなどの災害防止にも役立っているのです。
日本の森林の所有形態は、国有林:公有林:私有林=3:1:6となっていますが、法があることによって、私有林だからと言って、所有者が勝手に、森林伐採や地形を変えることができないようになっています。
例えば、「保安林制度」というのがあります。公共の目的を果たすために農林水産大臣または都道府県知事が森林法に基づいて保安林に指定しています。
保安林に指定されると、その森林が保安林として働きを維持するために、「指定施業要件」という森林の取扱方法に従わなければなりません。
これら保安林は、2020年3月末時点で1,299万ha。日本の森の半分が保安林なのです。前述した保安林のうち、「1.水源かん養保安林」が約7割を占め、「2.土砂流出防備保安林」が約2割と、この2つが保安林の9割となっています。以上を計算すると、日本の国土のおよそ3割が「緑のダム」といえるかと思います。
日本に暮らしていると、水が豊かだなと感じる方が多いと思います。一方で夏場にダム渇水などのニュースが流れたこともあります。
国土交通省ウェブサイトの資料によると、「降水量としては世界平均の2倍、しかし人口一人当たりの降水量だと世界平均の1/4」「我が国の河川の流量は最大と最小の差が大きく、利用料は最小を大きく上回る」とあります。つまり、日本がアジアのモンスーン気候のため季節によって降雨量の変動が激しいことと、人口密度により、水が足りない時があるわけです。
また、近年では、集中豪雨、ゲリラ豪雨、線状降水帯といった言葉をよく耳にするかと思いますが、総務省ウェブサイトでは、「時間降水量80mlを超える“猛烈な雨”もここ30年で1.7倍に増加」とあり、「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による第4次評価報告書によると、降水量は長期的に地球規模で降水量が増加、温暖化による昇温や観測された大気中の水蒸気量の増加と整合している。」と説明しています。
その上、日本は地震が多く、7割が山地で河川は急流、河川水位より低い土地に人口の半分が暮らし、さらに山麓へ宅地開発が進むことで、土砂災害を受けやすい条件があります。
このように、日本には洪水と渇水の両方の課題、背景に温暖化の問題、土砂災害を受けやすい国土であることから、森林の水源かん養機能、土砂災害防止・土壌保全、温暖化防止といった機能の重要性は無視できないと言えるかと思います。
その点については、国土交通省ウェブサイトから抜粋要約すると、次のように記載しています。
「森林の整備のみで必要な治水機能を確保することは不可能。」
「森林の水源かん養機能については学説が定まっておらず、一部では逆効果である現象も観測されているため、緑のダムに利水機能の代替を求めることは適切とは考えられない。」
「日本学術会議答申(平成13年11月「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)」)においても、森林の多面的な機能について評価する一方で、森林の水源かん養機能(洪水緩和機能等)の限界について指摘しています。」
森林資源を保全し、活かしながら、様々な方法で総合的に治水対策を進めていくのが現実的だということかと思います。
数字が多く、少々堅い話になってしまいました。森林セラピストは、いつも森の癒しにいざなうガイドですが、今回は「森の恩恵を守ること」の一つをご紹介させていただきました。森についてのお話は沢山ありますが、森を守ることへも関心を寄せて頂けたら幸いです。
<参考資料>
国土交通省
https://www.mlit.go.jp/river/dam/main/opinion/midori_dam/midori_dam_index.html
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/hakusho/h20/html/j1121000.html
https://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/h16/1.pdf
https://www.mlit.go.jp/river/dam/main/shinngikai/kondankai/dam/pdf2/28-59.pdf
総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000526164.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000484063.pdf
林野庁
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_2_2_3.html
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kouhou/hourei.html
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kouhou/hourei.html
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_2_2_1.html
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/attach/pdf/index-22.pdf
https://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/suigen/con_1.html
三重くまの森林組合
http://www.miekumano.or.jp/outline/pdf/hoan.pdf
この記事を書いた人
麻羽 たんぽぽ
和ハーブと森の占い師・(株)森と紙ひこうき代表取締役・(一社)はこねのもりコンソーシアムジャパン理事・和ハーブインストラクター・占い師(西洋占星術、タロット)・ハーバルセラピスト・森林セラピスト・産業カウンセラー・神奈川県 県西未病観光コンシェルジュ上級
1972年東京生まれ。Webサービス系の企業で10年間、Webサービス企画に携わったのち、占いを学び、占い館等に出演。さらに西洋占星術の関連からハーブに興味を持ち、ハーブを学ぶ。
「生活を楽しみ、こころ豊かに暮らすこと」をテーマに、3つの癒し「占い・ハーブ・森林」を、「熱海の森・箱根・東京」を拠点に、研究し実践している。
著書『和ハーブタロット』https://waherb-tarot.jp/
WEB 麻羽たんぽぽオフィシャルサイト https://asahatanpopo.jp
ラジオ番組 『麻羽たんぽぽの 占いでわくわくワーキング』エフエム熱海湯河原
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