朝の地平線
巻き付けていた温かい布団からはみ出た足の指先の、ひんやりとした冷たい感触に、いつもより早く起こされてしまった気分は、寝ぼけ眼で口に白湯を一口含み、喉からお腹へと、じんわりと温かさが沁み渡る頃、カーテンを明けて出会ってしまう景色に、私は、いつも幸せな気分に変えられてしまいます。冬の朝焼けは、遥か遠く、どこまでも澄んでいて、鮮明に描かれ広がる静かな世界。時が止まっているようだけれども、刻一刻と変化していく自然の姿に、温まったお腹の底から、目覚める力が湧いてきます。早起きをさせてもらった冬の朝は、自然からのメッセージが、心と身体に素直に響いていくようです。
皆さん、2019年はどんな1年でしたか?冬の凛とした香りを、胸一杯に吸い込んだら、四季を通して健やかに過ごせた事への感謝の気持ちとともに、振り返り、自分を労り慈しむ時間を、少し作ってあげましょう。
一呼吸・・・未病を改善
インドやスリランカを発祥とするアーユルヴェーダは、5000年もの歴史を持つ伝統的な医学ですが、その考え方は、より良く生きるための教えとして、日常生活のより良い過ごし方や健康法と言われています。
宇宙の万物は、空・風・日・水・地の五元素でできており、私達人間は、その宇宙を縮小した小宇宙であり、3つの生命エネルギーによって成り立っているという理論を、基本的な柱としています。季節や時間に添った過ごし方、そして、食事、運動、睡眠の、1日を通した過ごし方を意識し、心掛けることが大切であると説いています。
私達人間の考え方や行動は、やはり日々の生活の積み重ねから生まれてきますので、イライラしているかな、疲れが溜まっているかなと感じたら、一呼吸をおいて、最近のご自身のライフスタイルを少し振り返ってみると良いかも知れません。
自然の恵み 自分を慈しむ香り
乾いた冷たい風の吹く季節は、身体を丸めて縮こめてしまいがち。何だか心まで堅く塞ぎがちになってしまわないように、室内で温かくリラックス出来る環境を整えられたら、芳香浴を楽しむのもおすすめです。
ティッシュに精油を1〜2滴垂らしたり、アロマディフューザー等の専用器具を使用したりして楽しみましょう。オレンジやゼラニウム、サイプレス、ローズ等、甘く、酸味や温かさを感じる香りがおすすめです。サンダルウッド(白檀)も、ウッディで落ち着いた印象が加わりますので、静かなメディテーション(瞑想)タイムを過ごしたい時等おすすめです。
もし、その香りの持主である植物や果実、樹木達に出会った事がある方は、目を閉じると、側にあるように、包んでくれているように感じられるのではないでしょうか。自然に触れると、私達人間は、自然から多くの恵みを与えられている事に気付きます。
繫がる自然
新しい元号令和となり、季節を一つ二つと、暮らし過ごしていると、日本の四季は、緩やかで繊細な流れで絶えず繋がりながら、春夏秋冬と、それぞれ鮮明に記憶に残る、かけがえのない美しい自然、宝だといつも感じます。
台風等大きな自然災害が続きました。今、大きな自然の循環となる気候が、少し変わってきているようにも思います。このかけがえのない自然が、いつまでも、いつまでも、繫がっていくように。冬が与えてくれた、静かに自分と対峙し、慈しむ時間を大切に、思いを馳せたいと思います。
この記事を書いた人
工藤 知恵
森林セラピスト、AEAJアロマセラピスト、インストラクター、ハーバルセラピスト、アーユルヴェーダセラピスト
日本産のアロマ、ハーブの普及、地域活性に取り組む。
こころとからだ、箱根の豊かな森林で、ゆっくりと深呼吸。
森林に触れると、現代を生きる女性に役立つ、嬉しいが一杯です。
森林セラピーを、身近に楽しく触れていただけるよう、お伝えしていきたいと思います。
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