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雑草の愉しみ

雑草の愉しみ
夏。
生い茂る『雑草』の海が広がる季節です。

雑草。
雑草の定義とはなんでしょう?
人間の関わり方によって、その定義は変わるようですが、必要としている植物ではないものが自然に生えてきて、人間にとって不利益になる植物というイメージでしょうか。

不要な不利益な植物という視点を変えてみます。まずは雑草というひとくくりではなく、ひとつひとつの雑草に焦点を当てて見てみましょう。

アカザという名の雑草

ここにひとつの雑草があります。
名前を「アカザ(藜)」と言います。名前がわかると調べることができます。図鑑やwebで調べてみましょう。

『アカザ。ヒユ科アカザ属(APG植物分類体系)。学名「Chenopodium album var. centrorubrum」漢字名「藜」。1年草。日本全土に生える。古い時代に中国から渡来。食用に栽培されていたものが野生化したともいわれる。シロザの変種(本によっては逆の記述がある場合もあります)。シロザ共に食用になり、若葉のほか若い果実も食べられる。大きく育った茎は杖として利用された。若葉や葉の裏面は粉状物に覆われている。』(参考図書:『野に咲く花』)

ここに、植物を愉しむヒントがいくつもあります。
「食用に栽培」「シロザと共に若葉のほか、若い果実も食用になる」「茎は杖に」「若葉や葉の裏面には粉状物に覆われている」ひとつずつ見ていきましょう。

ヒント1「食用に栽培」「シロザと共に若葉のほか、若い果実も食用になる」

なんと食べられるという記述が! では遠慮なく調理して食べてみましょう。 食べられる雑草は多々ありますが、食べられるけれど美味しくないものも実はたくさんあります。しかしながら、アカザは「食用に栽培」されていたという記述があります。これは期待できます。 同じ科の仲間には、ほうれん草やキヌアなどが含まれます。ほうれん草に近い味ですが、個人的にはほうれん草より好きです。私は葉っぱをキッシュや汁物に。実はふりかけにしました。


ただし、注意がいくつかあります。シュウ酸を多く含むため生食には適さないので、必ず火を通しましょう。そして食べてから日光に当たると、皮膚が火傷のように赤く腫れあがる症状が出る体質の方がいらっしゃいます。「アカザ中毒疹」と言います。シロザもアカザも葉先や実に付いている粉をできる限り落として調理し、多食しないようにしてください。

ヒント2「茎は杖に」の部分


茎の中が空洞で2m近く大きく育ち木質化するので、軽くて丈夫な杖になります。仙人の杖はアカザと聞いたことがあります。しかも水戸黄門は杖として使い、松尾芭蕉も杖にしたいと詠ったとか。杖の中では高級で販売しているところが現在でもあります。
これ、作ることができそうな感じがしますよね? ぜひ、作ってみたい。

できることは試してみるのが雑草研究所。実は昨年、庭で育てました。しかしマンションなため植栽が入ってしまい「育てています」と伝えたのにも関わらず庭師さんに刈られてしまいました。とても残念です。ですが懲りずに今年もチャレンジ中です。

ヒント3「粉状物に覆われている」

確かに見てみると若い葉や実の周りがシロザは白く、アカザはショッキングピンクです。自然の色でこんなピンクがでることに見るたびに感心します。粉状というだけあって、触ると粉がはがれます。粉はどんな形をしているのでしょうか? 

マクロレンズで見てみます。スマホ用のマクロレンズが100円ショップにも売っているので、今は気軽にマクロ撮影ができます。粉状物はビーズのような形でした。アカザはピンクのビーズ。シロザは白いビーズ。美しくてこれが本当に植物なのかとまたまた感心します。



では、なぜこの粉はあるのでしょう? 
実はどの植物も新芽や若い芽は柔らかくて弱く傷つきやすいのです。
アカザ・シロザの夏の紫外線対策の選択は粉を表面につけることでした。例えるとUVファンデーションと言ったところでしょうか。


今回見た図鑑には記載がありませんでしたが、民間薬として虫歯や毒虫に刺された時に使用されたり、「藜(あかざ)の羹(あつもの)」という粗末な食事の形容に使われたり、という特徴もあります。

ここまで読んでくださった皆様は、
すでに「アカザ」を雑草として見ていないのではないでしょうか? 

雑草を観察する。触れる。食べる。作る。遊ぶ。道具。民間薬や虫との共生など、見れば見るほど、知れば知るほど愉しい雑草の世界。ぜひ皆様もいかがでしょうか。

この記事を書いた人

はやぶさ きみ枝(はやぶさ きみえ)

『雑草研究所』所長

和ハーブ協会インストラクター、フィールドマスター。グラフィックデザイナー。イベントや観察会を通して、植物の面白さを多角的視点で発信し実践する生活をしている。
雑草研究所https://www.facebook.com/zasso.labo/

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