人によって、早くなったり、遅くなったりするものは?
皆さんにとって、いま一番楽しいときって何ですか?
習い事や趣味をしているときですか? 気の置けない友人とおしゃべりを楽しんでいるときですか? パートナーと過ごすオフタイムですか? 子どもといるときですか?
そのような楽しいときって、時間があっというまに過ぎますよね、時が経つのも忘れて。
浦島太郎の物語もそうですね、楽しすぎて楽しすぎて、時間をすっかり忘れて数十年も経ってしまった物語ですね。
心が「楽しい!」と感じているとき、そのとき時間はあっという間に進んでいきます。
では、逆はどうですか?
とてもいやなとき、苦しいとき、寂しいとき、何かを待ち焦がれているとき、そんなときの時間は、なかなか進みませんよね。
もうおわかりかと思います。
時間の進み方は、そのときの心の状態によって、早くなったり、遅くなったりして感じるものなのです。主観的な時間の進み方は、人によって、心の状態によって、異なってくるのです。
勉強が手につかない
さて、筆者は心理カウンセラーをしていますが、最近はもっぱら、子どもたち、特に高校生と相談することが多くあります。
そんななかで、よくある相談のひとつは、「勉強になかなか手がつかない」といったものです。
高校生でいえば受験勉強ですが、最近では、社会人の方も、レベルアップやキャリアアップのために、語学や資格の勉強をされている方が多くいます。
そんな方にも参考にして欲しいのが、「勉強が手につかないとき」などに特に役立つ、次にあげている方法です。
先にあげた主観的な時間の感じ方を応用した方法です。
5分だけやろう!
勉強をはじめるとき、計画をたてると思います。
たとえば、簡単なものですと、社会人の方であれば、「毎日仕事が終わったら2時間勉強しよう!」などと。
ただ、実際にはどうですか?
仕事で疲れていたり、嫌なことがあったりするときなど、心身のエネルギーが低下しているときには、予定していた勉強に思うように手がつけられなかったり…、
といったこともあるのではないでしょうか?
そういうときは、「5分だけやろう」ということで勉強を始めてみてください。
是非これは試してみてください、そうやって始めてみるとどうなるかを。
おそらく、思った以上に勉強が続いていったりするでしょう。
心が軽くなると、行動しやすくなる
これはどういうことかというと、心の状態をよくみてみると、説明できます。
たとえば、
「勉強2時間頑張らないと!」 VS 「5分だけやろう!」
勉強をはじめるとき、この2つの言葉を比べると、どちらのときの方で心が軽くなりますか?
当然「5分だけ」の方でしょう。
「5分だけ」の方で心が軽くなりますので、その後の勉強も軽やかに始められるようになるのです。
逆に「2時間頑張らないと」となると、心が重くなり、その後に勉強がなかなか始められないことが多くなるのです。
これは時間に限らず、他のことにも応用できます。
例えば英語の勉強で、「このテキスト1冊、◯◯日までに終わらそう!」と決めたら、実際に日々勉強するときには、「今日は10ページまでやろう」などと、多少のがんばりで達成できそうなその日の目標を設定してやっていきましょう。
理由は同じく、「1冊やる!」よりも、「10ページやる!」の方で心が軽くなり、その後の勉強がしやすくなるからです。
あの木を触ってみよう
こちらのサイトをご覧になっている方は、健康のためにも良さそうだから、「森林セラピーをやりたい!」と思っている方も多くいると思います。
それでも、なかなか踏み出せずにいる方は、同じような要領で目標を掲げてみるとよいでしょう。
たとえば、「近くの◯△公園に行こう!」「あの木を触ってみよう」などと、心が軽い状態で始められそうなささやかな目標をつくってみましょう。
心が軽くなると、行動も軽やかになり、私たちは動き出しやすくなっていくものなのです。
この記事を書いた人
新行内勝善(しんぎょううち かつよし)
心理カウンセラー、森林セラピスト、精神保健福祉士。
東京メンタルヘルス社にて、メンタルヘルス相談や、心の病からの職場復帰をサポート。
職場復帰プログラムでは森林セラピーを導入。
また、スクールソーシャルワーカーとして小中学校の子どもたちと家庭をサポート。