私たちが生きる上で絶対に欠かすことの出来ない行為、「呼吸」。
ただ息を吸って吐くだけのように思われる呼吸も、やり方を少し変えればリラックス方法にもダイエット方法にもなるのです。今回はそんな呼吸方法についてご紹介します。
呼吸によって病気にかかりやすくなる?
私たちは普段、無意識に息を吸って吐いては呼吸を繰り返しています。
呼吸は、酸素と二酸化炭素のガス交換を担う生命維持になくてはならない大事な生理機能のひとつとして考えられており、人が一生の間でする呼吸の数は約6〜7億回にものぼるのだとか。
呼吸によって取り込まれた酸素は、血液の流れを介して全身の細胞に送られ、体のエネルギーを生み出すもとになります。
呼吸が浅く、酸素が十分に細胞を巡らなければ、体はエネルギー不足になり、疲れやすく病気になりやすい体となる恐れがあります。
出来るだけ深い呼吸を心がけて、多くの酸素を取り込むイメージで呼吸をすることが大切です。
2種類の呼吸方法
呼吸には、腹式呼吸と胸式呼吸があります。これらの違いは、呼吸をする時に使う筋肉。呼吸を行う肺には筋肉が無いため、私たちは呼吸をする時に肺周囲の筋肉を使い収縮しています。
お腹にある横隔膜という筋肉を使う呼吸を腹式呼吸、助骨を上下させる筋肉を使う呼吸を胸式呼吸といいます。
腹式呼吸は、吐く息に重点を置き、副交感神経を刺激することで深いリラックス効果を得られるといわれています。
一方、胸式呼吸は、吐く息だけでなく吸う息にも重点を置きます。大量の酸素を一気に取り込むことが出来、交感神経を刺激するため、体や脳の覚醒、エネルギー消費(ダイエット)に効果的といわれています。
自律神経のバランスを整える腹式呼吸
腹式呼吸の約70%は横隔膜が担っています。横隔膜は随意筋といい、自分の意思で動かすことの出来る筋肉。
一方で、睡眠中など私たちが無意識の状態でも呼吸は止まることがありません。これは、横隔膜は普段、自律神経に支配されているため。
自律神経によって私たちは無意識的に呼吸をしていますが、裏を返せば、呼吸は自律神経を意識的にコントロール出来る方法でもあるといえそうです。
これを利用して、腹式呼吸を意識的にすることで、リラックス効果を得ることが可能とされています。
腹式呼吸は自律神経のバランスを整えるだけでなく、免疫力向上や便秘解消にも効果的なのだそう。呼吸は最も身近で手間もお金もかからない、簡単な健康法なのです。
ダイエットにおすすめ胸式呼吸
胸式呼吸は、胸を意識して大きく胸郭を前後左右に広げるようにして息を吸う呼吸法。
ラジオ体操などで馴染みの深い人も多いのではないでしょうか。インナーマッスルを活性化し、体の代謝を高めることでダイエット効果につながるともいわれています。
一気に酸素を取り込む胸式呼吸は、腹式呼吸よりも大きな運動量を得られます。テニスや短距離走など瞬発力の必要なスポーツに有利な呼吸法。
また、妊娠時など子宮や卵巣に負担をかけたくない時には胸式呼吸が最適。
しかし、女性は基本的に胸式呼吸で呼吸をしている人が多いため、呼吸が浅くなりがちでリラックス不足に。妊娠時など以外では、日常から腹式呼吸を意識することで心身の健康につながります。
森林の中でリラックス呼吸を
草木や花の香りを感じると、つい深呼吸をしたくなる人も多いと思います。森林は水分量も多く、気持ちの良い酸素が満ち足りてる空間。
緑の中で思いきり呼吸を楽しむひと時を、ぜひ作ってみてくださいね。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。