食材の旬ってご存知ですか。
旬の食材を積極的に取り入れることは、皆さんの身体にとても良いことです。
農業者を支援するコンサルタントでもあり、自らも50坪程度の家庭菜園で野菜づくりをしている筆者から、お伝えします。
食材の旬とは何だろう
皆さんは食材の旬を意識していますか。野菜について見てみると、多くのものはスーパーマーケットに行けば、年中買うことができます。
それは、あとで少しお伝えしますが、様々な工夫を生産者や販売者などがすることにより、実現しているのです。
それはそれで素晴らしいことなのですが、それぞれの食材には旬の時期があります。旬とは、「その食材本来の収穫時期のもの」を言います。
本来の収穫時期は、気候が変わればそれにつれて変わっていきます。南北に長い日本では、地域により気温、湿度、天候が異なります。桜の開花が南から北へと順番になされるように、野菜も産地が北上していくという現象があります。
例えば春が旬であるソラマメは、まず、鹿児島産が1月から出回り、ピークは4月。
次いで千葉県産が2月から始まりピークは5月。そして茨城産、宮城産(6月がピーク)となります。
旬を考えるには、産地をセットに考える必要があります。主な食材の旬は以下の表のとおりです。
出典:農林水産省ホームページ
旬以外の時期に店頭に出すための工夫
旬以外の時期に野菜を店頭に出すために生産者や販売者がする主な工夫を紹介します。
生産者の場合、施設栽培に取り組むことがあります。
施設を使わない露地栽培とは異なり、ビニールハウスやガラスハウスなどで、温度調整をすることにより、本来の収穫時期よりも早く、もしくは遅くすることができます。
さらに、植物工場と呼ばれる施設では、太陽の代わりにLED照明、土の代わりに養液等を用い、光、温度、湿度、二酸化炭素、養分などをコンピューターで制御しながら栽培することにより、葉物野菜などを一年中出荷しています。
また、生産者や販売者共に、野菜の保管方法を工夫することで、鮮度を保ち、スーパーの店頭に長期間並べることができるようにしている場合もあります。
旬のものは何が違うのでしょうか?
旬のものは本来の収穫時期であるので、その作物にとって無理のない時期・方法で作られたものです。
そのため、その作物本来の味となる場合が多く、栄養価も高くなるようです。また、多くの量が出回るために、価格も安くなるのが通常です。
また、夏が旬であるキュウリは、暑い身体を冷やす成分が含まれているなど、旬のものはその時期に人間の身体が必要な成分を持っているものが多いのも事実です。
それに、旬のものを積極的に取り入れ、食卓を変えていくことにより、季節を楽しむこともできるのではないでしょうか。
ちなみに旬には、「走り」、「出盛り」、「名残」があります。
出始めの頃の初物を楽しむのが「走り」、収穫がピークを迎え、味の乗った「出盛り」、終わりかけに季節を惜しむ「名残」と同じ旬でも野菜の味は変わっていきます。
神奈川県の農産物の特徴を見てみましょう
農林水産統計年報によると神奈川県の全国シェアの高い主要農産物(平成27年)として、以下のものがあります。
だいこん(全国の都道府県の中で第6位)、キャベツ(同5位)こまつな(同7位)、らっかせい(同3位)、キウイフルーツ(同4位)どうでしょう。びっくりされている方が多いのではないでしょうか。
また、神奈川県内のみで生産されているものもいくつかあります。
肉用鶏では神奈川県産の「かながわ鶏」が平成28年9月に初出荷され、かんきつ類では「湘南ゴールド」という新品種、お米では平成28年の食味ランキングで特Aの評価を受けた「はるみ」があります。
この記事を書いた人
高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。