「寝たいのに眠れない……」誰しもが、夜な夜なそんな葛藤に苦しんだ経験があるのではないでしょうか。
普段からよく眠れる人であっても、突如、急な不眠の症状に悩まされることがあります。「早く寝たい」と気持ちが焦るほどに、なかなか寝付けない。こんな寝付けない夜を繰り返さないためには必要なこととは何でしょうか?
眠れないのは、なぜ?
眠れない原因その1:ホルモンバランスの崩れ
私たちの体は、朝外界が明るくなると目が覚め、暗くなると眠くなるという仕組みになっています。夜になると眠くなるのは、睡眠ホルモンであるメラトニンという物質が分泌され、私たちを眠りに誘うから。メラトニンが正常に分泌しだすと眠気を感じ、深い眠りに就くことが出来るのです。
しかし、メラトニンは光に敏感といわれており、電気やスマートフォンのブルーライト光などで分泌サイクルが狂いやすくなる可能性があります。メラトニンが正常に分泌されないと、眠気が起きず、スムーズに入眠することが出来なくなってしまうことも。
眠れない原因その2:リラックス不足
私たちは通常眠りに就く時、リラックス時に働く副交感神経が優位になります。緊張したり、興奮した状態だと眠りに就くことは難しいですよね。このように、緊張や興奮状態のときに活発に働く交感神経が優位にあるとなかなか寝付けない現象が起きてしまうのです。
例えば、仕事が忙しかったり悩みごとがあったり、寝る直前まで活発的に行動していたりすると神経が高ぶってしまい疲れていてもなかなか入眠できない状態になることがあります。そして、「寝たい、寝なきゃ」と思えば思うほど、交感神経が高ぶり眠れなくなってしまう……なんてことも。身体もこころもリラックスさせることは、入眠力だけでなく睡眠の質も上げてくれます。逆に、リラックスが足りないと、眠ることが難しくなるのです。
眠れない夜を卒業して、眠りに就くには?
まず大切なことは、睡眠ホルモンであるメラトニンが正常に分泌するよう、分泌サイクルを整えてあげることです。そのためには、「朝起きたら日の光を浴びること」を習慣化するのがおすすめ。
朝、太陽の光を浴びるとセロトニンという物質が体内で作られ、日が落ちるとそのセロトニンをもとに、睡眠ホルモンであるメラトニンが合成されます。つまり、日の光を浴びることでメラトニン生成の原料が得られるのです。
そして、日の光を浴びると体が朝を認識し、その時点から14時間〜16時間後にメラトニンの分泌が始まるというホルモンサイクルの仕組みになっているのだそう。そのため、しっかりと朝の時間に日の光を浴びることが大切です。バタバタしがちな朝ですが、起き抜けにカーテンを開けて少しだけ日の光を全身に浴びる習慣をつけたら、こころにも余裕が生まれるかもしれませんよ。
また、眠る前の強い光はメラトニン分泌を抑制してしまう可能性があります。就寝1時間前には灯りを間接照明やオレンジ色のライトに切り替える工夫や、スマートフォンやテレビの見過ぎは控えるのが好ましいです。
そして何より大切にしたいことは、リラックスした状態を作ることです。帰宅時間が遅かったり、やらなければならないことに常に追われているとリラックス時間を取ることもままならずそのまま睡眠に入ろうとしてしまいますが、リラックス時間をしっかりと作ることが入眠力も睡眠の質もあげるポイントになるのです。
リラックスをするには、五感を活用するのがおすすめ。ヒーリングミュージックを流してこころを鎮めたり、アロマの香りで癒したり。カモミールなどのハーブティーやホットミルクを一杯いただくのも良いでしょう。時間に余裕があるのであれば、38度〜40度くらいのぬるめのお風呂に浸かってみてください。その一手間が入眠や睡眠の質を上げる助けになるはずです。
森林浴で睡眠力をUP
お休みの日に森林浴に行くこともおすすめのリラックス方法です。森林浴に一度行くと、だいたい3週間ほど効果が継続するといわれています。そのため、豊かな自然の中でこころも身体も癒された後日常に戻っても、リラックス状態が保たれるんだとか。定期的な森林浴は日々の睡眠力を上げる一助になってくれるかもしれませんね。
なお不眠症状が続く場合は、お近くの医療機関へご相談くださいね。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。