
森は私たちのセラピスト〜七十二候が教えてくれる移りゆく自然の時間〜
東洋医学には『天人合一(てんじんごういつ)』という言葉があります。人の体も自然の一部。七十二候が告げる小さな変化は、そのまま私たちの体の内側で起きている変化でもあります。そして日本には「七十二候(しち...
記事を読んでくださっている皆さま、ありがとうございます。
アロマテラピーのある暮らしをご紹介させていただき、何かお役に立てたり楽しい気持ちになったり…そんなふうに感じて頂けたら嬉しく思います。
今回はあらためて私がアロマテラピーに惹かれたきっかけを振り返りながら、ベルガモットのお話を。
私がアロマテラピーに惹かれたのは、病院で看護師として働き始めた新社会人の時。看護師としての仕事だけではなく、社会人としてのイロハも教えてくれた先輩がたや同期にも恵まれた日々を送っていましたが、当時の私は命の尊さや重みに向き合う心をまだまだ持ち合わせていなかったように感じます。
笑顔で "また明日" と挨拶した患者さんが、翌日には病状が悪化されていたこともありましたし、また、あんなに体調の優れなかった患者さんが次の勤務の時には信じられないくらいに元気になって笑顔を見せてくださる。そんな嬉しいこともありました。
日々めまぐるしく動く感情の起伏についてゆけなかったのか、心身のバランスが崩れていると自覚したのは、過食や不眠・朝起きられない・酷く落ち込む…さまざまな症状が身体に出始めてからでした。
このままではいけない。なんとかしなくては。そう感じて飛び込んだのが、アロマテラピーの教室でした。
たくさん種類がある精油ですがひとつずつを香ると、不思議なことにさまざまな思い出が蘇りました。
香りが私の大切な思い出を引き出し、心をあたためてくれたことがきっかけで、アロマセラピー=植物療法 って、面白い。もっと知りたい・暮らしに役立てたい と思いながらマイペースに学びを続けてきました。
時が経ち、今も看護師として「生きること」に関わらせてもらっていますが、それを支えてくれているひとつが、アロマです。…というより、アロマテラピーを知ってから、自分の心身に目を向けることがしやすくなり、メンテナンスを以前よりもできるようになった。だから、心と身体をととのえる看護師の仕事を続けていこうと思えるようになった。そんな気持ちでいます。
香りは自分自身へ・そして家族や友人へ・大切な誰かへ。そんなふうに広がり、自分を癒すつもりが誰かに " 癒された " と言ってもらえたり、その逆で、誰かのためにと思ってアロマテラピーのことをしていたらいつのまにか自分の方が癒されていた。そんなことの繰り返しです。だからアロマテラピーが、ずっと好きなのかもしれません。
長くなってしまいましたが、私が日々暮らしに取り入れて楽しんでいるアロマテラピー。
冒頭の写真は去年の夏に信州を訪れた際に見たベルガモットの花です。葉から、まさにベルガ モットの良い香りがして感激しましたが、実はアロマテラピーで使うベルガモットの精油はイタリアなどで栽培されるミカン科の柑橘から採られるもので、こちらの写真は北アメリカ原産のシソ科のハーブだということを調べて知りました。
ハーブのベルガモットは、その芳香がまさに柑橘のよう。古くからハーブティーやポプリ、また料理の香り付けにも使われてきたそうです。
安眠効果やリフレッシュ効果もあるとされる点は、アロマテラピーで使うベルガモット精油とも共通します。
ベルガモット精油は、柑橘の果皮から採られ、中身の果実の部分は食べないそうです。つまり食べるためではなく、昔から果皮を利用するために栽培されているということ。アールグレイの香りとしても有名です。ナポレオンの時代には香水の原料として大人気だったそう。なかなかベルガモットの実を実際に見る機会には恵まれませんが、この香りは昔から愛されているのですね。
心のバランスをとるのが上手なこの香りは、私がアロマテラピーを学び始めてすぐに好きになった香りのひとつ。随分と助けてもらった香りですが、最近もまた欲する香り。幸い心身に不調は出ていなくとも新型コロナウイルスが猛威をふるい、先の見通しが立たぬなか不安を抱える今だからかな、とも思います。
皮膚に対しては光毒性をもつため使用に注意が必要ですが、柑橘の精油全般は消化器系にも働きかけてくれるため、家の時間が長くなり食べ過ぎや運動不足も重なりお腹の調子がちょっと…という方にもおすすめです。(私もその一人です!)
ベルガモットは私の心身の調子をはかるバロメーターのような役割を果たしてくれる意味で、香りからのお便りのようだなぁと感じるのです。
一日も早く穏やかな日が戻ることを切に願いながら…。
※精油の使用にあたっては、体調や既往歴の有無など注意点がありますので、詳しくはアロマテラピーの専門書などをご確認ください。
この記事を書いた人

Yuri
AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター・アロマブレンドデザイナー・アロマハンドセラピスト
IAPAアロマ調香デザイナー
看護師
小さな頃から香りが好き。箱根も大好き。
病院に勤務していた時にセルフケアの目的でアロマテラピーと出会いました。
基礎を学んだのち、現在はアロマ調香レッスンやカウンセリングに基づいた香りづくり、ハンドトリートメントを中心に活動しています。
自然からの恵みがぎゅっと詰まった精油をこれからも大事に扱い、皆さまと様々な香りの体験をシェアしていけたら嬉しく思います。

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