春が過ぎ、環境が変わった人もそうでない人も不思議とフレッシュな気持ちを纏うこの季節。
新生活とともに、ライフスタイルを食生活から見直してみてはいかがでしょうか。
わたしたちの体は食べるもので出来ている
わかっていてもついつい、日常的には忘れがちなこと。
それは、「わたしたちの体は食べるもので出来ている」ということ。
わたしたちの体は約60億個の細胞から出来ており、そのうち、平均すると毎日1兆個近い数の細胞が新しく入れ替わっています。
その材料は、口にする食べ物。
食べ物を食べることでエネルギーを作り、体内のさまざまな機能を調整して体を作っています。
つまり、食べ物を消化・吸収し、栄養素を代謝、老廃物を排泄するという一連のリズムによってわたしたちの命は支えられているのです。
栄養素の働きを知ってみる
わたしたちが口にする食べ物のほとんどは、複数の栄養素で構成されています。
食べ物ごとにその割合は異なり、油には脂質が、米には糖質が多くなります。
そのため、同じ物ばかりを食べていると、一部の栄養素が過剰になったり不足してしまったりするのです。
異なる役割を持つ栄養素。
基本となる糖質、脂質、たんぱく質といった栄養素はエネルギー源となるだけでなく筋肉や皮膚などの体を作る材料に。
また、微量栄養素であるビタミンやミネラルは体の調子を整え骨や歯などの構成成分になり、食物繊維は排泄の手助けをします。
生きるために欠かせない3大栄養素
わたしたちのエネルギーの元となる重要な栄養素、糖質・脂質・たんぱく質は3大栄養素と呼ばれています。
糖質は脂質などに比べて消化・吸収が早いため、エネルギー源として即効性があるのが特徴。
しかし、過剰に摂りすぎると肥満や糖尿病の原因となるので注意が必要です。
1gあたり4kcalのエネルギーを生み出す糖質に対して、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを生成。
一般的に「脂肪」と呼ばれることの多い中性脂肪は皮下や腹腔などに蓄えられ、必要に応じてエネルギー源となります。
脂質は体温を一定に保つ役割や内臓を守るクッションとしての役割、さらには細胞膜の構成成分や生理作用を一定に保つ働きも担っています。
たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚や髪、爪や血液などさまざまな部位を作る成分になります。
代謝や消化などの役割がある酵素やホルモンを作ったり、免疫機能を高める働きや、神経伝達物質の成分になって脳の働きを活性化したりすることも。
エネルギーが足りなくなり、その際に糖質が不足していると1gあたり4kcalのエネルギーを生み出すエネルギー源としても活躍します。
これらの3大栄養素は普段の食生活の中で比較的摂り入れているもの。
では、現代人に不足しがちな栄養素とは何でしょう。
不足しがちなビタミン・ミネラル
生野菜や海藻類に多く含まれるビタミン・ミネラルは、多くの人が日々の食生活の中で不足しがちな栄養素だといわれています。
その上、これらは体内で合成することができない栄養素であるため食事からバランス良く摂り入れる必要があります。
ビタミンは3大栄養素の働きを助ける潤滑油のような働きを主にしており、血管や粘膜、皮膚や骨の状態を保ち新陳代謝を促す働きにも関与。
一方、ミネラルは、体の構成成分でありビタミンと協力して体の調子を整える働きをします。
血液や体液の中でイオン化して存在するミネラルは、さまざまな生命活動の微調整をしています。
例えば、マグネシウムが不足すればカルシウムの働きが悪くなり、カリウムが不足すればナトリウムが細胞内に溜まって細胞を水太りにするなど、ミネラルは相関関係を持って作用しています。
つまり、バランスが大事ということなのです。
不足にも過剰にもならないようにするには、穀類、小魚、野菜、海藻類、いも類、種実類などを毎日しっかりいただくことが大切です。
バランスの良い食生活、は基本ですが、日々の食事の中で不足しがちなビタミンやミネラルを意識して取り入れ、心も体も新生活に合わせてアップデートしてみてはいかがでしょうか。
気持ちの良い天気の日には、お弁当を持って自然の中で食べるのもオススメです。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。