肌は内臓の鏡といわれるほど、身体の健康状態を表すバロメーターのひとつ。
肌が綺麗な状態は、見た目にはもちろんのこと、身体全体が整っている証でもあるのです。
今回はそんな肌の構造と美肌を保つためのポイントをお伝えいたします。
ターンオーバーが美肌の要
私たちの肌は外側から表皮・真皮・皮下組織の3つの層で出来ています。
表皮は肌のみずみずしさを保つ保護作用を、真皮はハリや弾力を保つスプリングの役割を、皮下組織は外部からの刺激や衝撃を和らげるクッションのような役目をそれぞれ担っています。
そして表皮の外側には、保湿力と殺菌力に優れた皮脂膜があります。
皮脂膜はナチュラルモイスチャーファクターと呼ばれ、別名「天然の保護クリーム」といわれるほど皮膚の保護に長けて私たちの肌を守ってくれています。
表皮は外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つの層に分かれており、ターンオーバーを繰り返して日々生まれ変わっています。
基底層で生まれた肌細胞は約28日間かけてゆっくりと上に押し上げられはがれ落ち、新陳代謝を繰り返します。
肌細胞は毎日生まれ変わり、その細胞のひとつひとつの寿命が約28日。
基底層から顆粒層にたどり着くまでに約14日間、角質層で約14日間かけて垢となってはがれ落ちターンオーバーが終了します。
しかし、ターンオーバーが乱れて古い角質層がいつまでもはがれずに蓄積されていると、水分を保つ機能が弱くなってしまいます。
さらに真皮層の線維芽細胞のコラーゲンを作る能力が低下して、肌の弾力が衰える原因にも。
年を重ねるとターンオーバーの周期も長くなる
肌が再生するリズムは20代で約28日間ですが、年齢とともにそのリズムは緩やかにスピードを落とし、40代では約45日間になるといわれています。
このリズムが乱れると、本来はがれ落ちるはずの死んだ角質が肌に残ってしまい、角質層を厚くしていきます。
角質層が厚くなることで皮脂や老廃物が溜まりやすく、整っていたキメが乱れてしまうことで肌の透明感が失われていくことに。
これがくすみの原因となります。
つまり、どの年齢においても、ターンオーバーが正常に機能していることこそが、綺麗な肌を保つ秘訣といえます。
美しい肌を保つ肌リズムを整えるためには
肌の生まれ変わりが活発になる時間帯は、ゴールデンタイムとされる22時〜翌2時の間の4時間といわれています。
その時間までにメイクなどの油分や汚れを洗い流し、角質層が求める水分を十分に補給してあげることが大切。
特に顔の肌はデリケート。
洗顔後には化粧水で水分補給をし、蒸発しないように乳液やクリームで保護してあげましょう。
また、ターンオーバーの周期は早くても遅くてもNG。
肌に紫外線が当たると、ダメージを受けた細胞は早く修復しようとターンオーバーの周期を早めます。
すると、未熟な肌細胞から作られた肌は、さらにダメージを受けやすくなってしまうのです。
食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなど身体の内側からくるダメージもターンオーバーを早める原因に。
肌にダメージを与えないためには、規則正しい生活も重要といえるでしょう。
森林は水分量もたっぷり
日常的に生活をしていると、どうしてもストレス過多になりやすい現代。
肌のためにもストレスフリーな環境作りをすることが大事です。
自然や森林に触れると、副交感神経が活発に働きこころも身体もリラックスすることが出来るといわれています。
その上、森林には水分量がたくさん含まれているため、美肌キープにはぴったり。
「肌が荒れてきたかも……」なんて時には、森林浴に出かけてみるのもいいかもしれませんね。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。