不眠に悩む女性はいつの時代にもいなくならないもの。
不眠は昼間の眠気を誘うだけでなく、実は身体の至る部分に影響があるのです。
不眠を「まあ仕方ないか」と放っておくと、知らない間に体のバランスを崩してしまい生活習慣病を引き起こす恐れもあるかも?
睡眠は免疫力を上げる?
私たちは体と脳を休めるために睡眠をとるといわれていますが、眠っている間には、様々なホルモンが分泌されて日中の活動で疲れた体を効率的に修復します。
睡眠には免疫力を高める役割もあるとされており、十分な睡眠は副交感神経を優位にして白血球のうちのリンパ球を増やします。
そのため、病気の予防にも効果的といえるでしょう。
例えば、風邪をひいた時に眠気を強く感じた経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
私たちは風邪をひくと、体内で風邪菌に対抗する免疫物質が作られ、風邪ウイルスと闘い、増殖を抑えます。
同時に、免疫物質は脳にも作用してノンレム睡眠(深い眠り)を増やす働きがあるといわれています。
風邪をひくと眠くなるのは、深い睡眠に入ることで、体の免疫機能を働かせているためなんだとか。
このように、私たちは、体と心の健康を保つために「睡眠」をしているのですね。
睡眠不足はダイエットにも大敵!
意外に思われるかもしれませんが、実は不眠はダイエットの敵でもあります。
睡眠時間が短くなると肥満になる確率が高くなるといわれています。
その理由は、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌が睡眠不足により減少し、食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌が亢進して、食欲が増大するため。
睡眠不足は私たちの食行動にも影響するなんて、驚きですよね。
肥満増進だけでなく、慢性的な睡眠不足は糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患などの生活習慣病にかかりやすいともされています。
不規則な睡眠習慣や不眠状態は、ホルモンや自律神経のリズムを崩し体全体のバランスをも崩しかねないのです。
不眠症は睡眠障害のひとつ
「寝たいのに、なかなか眠れない...」そんな寝る意志があるにもかかわらず、睡眠時間が短く眠りが浅くなってしまう症状のことを『不眠症』といいます。
寝つきが悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」や、早朝に目が覚めてそれ以降眠れなくなる「早朝覚醒」など不眠症にも種類があります。
原因はこれといったものはなく、年齢や体質、心身のストレスや不規則生活など不眠症を引き起こす要因は様々。
現代に生きる私たちの生活は、夜にも明かりを灯して活動が出来、いつでもスマートフォンと共に過ごしているため、不眠が日常化しているケースが多いです。
「よく眠れないのが当たり前」になっている人は、要注意。
不眠症は睡眠障害のひとつで、ナチュラルな状態では無いのです。不眠による集中力低下や気怠さなどの不調を“日常的な”状態にさせないよう、睡眠サイクルを改善し整えてあげることが大切です。
睡眠サイクルを整えるために必要なこととは?
「体温が低い時には体を休める」ことが鉄則。私たちの体温は、日没数時間後から下がり始め、深夜から明け方までは低い状態です。
基本中の基本ですが、朝は起きて夜は眠る、そんな規則正しい生活が何よりも大事なのです。
良質な睡眠をとるために必要なことは、体のリズムを知ることです。食事は寝る3時間前までに済ませることや、カフェインは就寝4時間前からは控えること。
お風呂上がりは体温が下がり、寝付きがよくなるので、お風呂から上がって30分〜1時間経った頃に眠りにつくのがベストです。
お風呂から上がった後は、テレビやパソコン、スマートフォンはなるべく見ずにリラックスした時間を過ごすことで入眠力が上がり、良質な睡眠に繋がります。
リラックスすることが睡眠の質を上げる
副交感神経を優位にし、リラックスすることは不眠解消には欠かせないポイントのひとつ。
リラックスの方法には、アロマや読書、マッサージなど家で出来ることを毎日取り入れることも大切ですが、360度緑いっぱいの森林の中で深呼吸する時の気持ち良さは、どんなリラックス法にも負けない癒し効果があります。
森林浴でこころも体もリラックスして、快眠を手に入れてみてはいかがでしょうか。
※なお、不眠症状が続く場合には、お近くの医療機関へご相談ください。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。