最近は晴れると蒸し暑い日もあり、春から夏へ季節が変わろうとしています。
春からなぜか落ち込むことが多いなと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
春は気持ちが落ち込むことが多い季節でもあるのです。
カラフルな季節に潜む落とし穴とは何なのでしょうか。
三寒四温に環境変化が引き金に
冬の寒さが和らぐ時に、「あれ?今日暖かい…!」なんて、急な気候変動を感じる人も多いのではないでしょうか。
春は朝夕と昼間の寒暖差が大きく、1日を通してみても気温が不安定なため体に負担がかかりがち。
かつ、春は就職や転勤、職場の異動や進学など環境の変化がある人も多く、たとえそれが自分にとって楽しいワクワクするような出来事だとしても、”変化”という点で知らぬ間に疲労として心と体を圧迫している可能性があります。
おめでたいことがストレスになる
暑さや寒さなど物理的なストレスに過労や病気など生理的ストレス、不安や怒りなど心理的なストレスのほかにも、結婚や就職、進学など一見めでたい行事がストレスになることがあります。
適度なストレスはわたしたちの人生において”スパイス”の役割を担い、自身の成長を促し、イキイキとした生活へと導きます。
しかし”適度”の程度を超えたストレスは、自分の気付かぬ間にも心と体の疲れへと姿を変えて蓄積していくことに。
過度なストレスが与える影響って?
わたしたちの体には本来、ストレスから心と体を守る仕組みが備わっています。
それは、自律神経・免疫・ホルモンの3つの働きによって体内環境をほぼ一定に保つ「ホメオスタシス」という仕組みです。
しかし、ストレスが強すぎると司令塔の視床下部がオーバーワーク状態に。
正確な指令が伝えられず、ホメオスタシスが維持できなくなってしまうのです。
そこに更なるストレスが加わると、心にも体にもさまざまな障害が出てきます。
例えば、不安や恐怖、失望など「情動変化」に動悸や冷や汗など「身体変化」、せかせかと行動をしたりお酒を飲んで気を紛らわしたりといった「行動変化」などが現れることも。
これらは本来、過度なストレスから身を守るための防御反応なので一概に悪いことではありません。
しかし、ストレスがあまりに強かったり、長く続いてしまったりすると心も体も疲れてしまい、慢性化、心身症やうつ病などのストレス病を発病してしまう可能性があります。
ストレスは段階的に心と体に影響を及ぼす
ストレスが長期的に加わった場合、私たちの心と体は次の3つの時期を推移するといわれています。
それは、「警告反応期」→「抵抗期」→「疲弊期」です。
警告反応期は、ストレスを受けた時に体が反応して警告サインを出す時期のこと。
疲れを感じたり、体調不良やイライラを自覚したりする時期です。
次の抵抗期には、ストレスに対する体の抵抗が現れる時期。
心と体が目の前のストレスに対抗することで、なんとか心身の状態を維持しますが、血圧や血糖値が変調し心身の不調が自覚されます。
疲弊期になると、心と体が抵抗することに疲れ、病気に移行する時期といわれています。
集中力の低下やいろいろな事柄に頑張れなかったり、物忘れが悪化したり……心身症やうつ病などの病気にかかる段階。
不調のサインを見逃さないこと
ストレスがその人の耐えられる限度を超えたり、慢性的に続いたりすると、心や体にサインが現れます。
例えば、イライラして不機嫌になったり、情緒不安定になったり、集中力が低下して家事や仕事が捗らなくなったり。
頭痛やめまい、食欲不振や吐き気など身体的な症状に加えて、朝起きられなくなって会社を遅刻・欠勤したり、攻撃的な言動になったりする人も。
これらのサインは一部の例であり、その現れ方は人それぞれ。
そして、これらは「これ以上、心と体に負担をかけると病気になりますよ」という警告です。
まずは、自分のストレスに気づくことが大事です。
気分の落ち込みや不安などの症状が長く続く時など心や体の不調を感じた時には、かかりつけの病院や近所のクリニックに相談してみてください。
そして、リラックスする時間を出来るだけ作ることが大切です。
自分の好きなことをする時間、好きな人たちと話す時間、自然と触れ合う時間などを作り、まずは「自分」を優先してあげてくださいね。
この記事を書いた人
岩間 歩
ヘルシーフード&ヘルスケア インストラクター
健やかに毎日を過ごすために必要なTipsを提案。
こころとからだに嬉しいヘルシーフードに特化。
執筆やレシピ提供、イベント開催など幅広く活動中。
フード、ヘルスケア全般の記事を担当。