森の中でヨガを楽しむ魅力~森林浴とヨガの相乗効果について~
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2024年9月22日 秋分の日レポート
秋分の日。昼と夜の長さが同じ日。
エネルギーの返還期でもあり、天候も不安定で、自然の力を感じる日となりました。
予定していた屋外のヨガや瞑想は、屋内にて多くの時間をとり、森林セラピーも安全を第一に、目的の神社参拝を目標とし実施させて頂きました。
今回は、はこじょプレミアムということで、セラピスト3名のもと、1チーム6~7人の少人数制で九頭龍の森を案内しました。
午前中は台風を思わせる風と大雨でしたが、午後には落ち着きをみせ小雨となっていました。
風は、強く弱くいろいろな方向から吹き、雲はまだ灰色で厚く、少し薄暗い中の歩き始めでした。
ロードは、舗装された安全な道ではありますが、小枝や葉っぱが落ちて荒れており、参加者の中からは、なんか怖い…一人じゃ来ていない…との声も聞かれました。
しかし、そうした感覚は、人も自然の一部でもあることを感じさせてくれます。
人も動物であり野生の力が呼び覚まされます。自然の脅威を感じることで、いまここにいる恩恵も感じられる体験となったかと思います。
また、森の入り口までの30分ほどの道のりは、ヨガや瞑想でのリラックスモードから、ややハイペースで進んだことで、心臓の鼓動も早くなり、歩いてきた足にもやや張りを感じる方もいられたかと思います。
自然の様々な風が肌に触れ、一つ一つの植物の葉の肌触りの違いを感じ、五感が研ぎ澄まされてくることで、自分の身体の変化にも敏感になっていきます。
森林セラピーの効果は、自律神経を整えることと言われています。自律神経は、交感神経と副交感神経があり、バランスよく機能することが大切です。
リラックスモードでは副交感神経が優位にはなりますが、交感神経が優位になることも大切です。
自分の身体の状態を知ることが、一番大切なことです。自然の中では、普段、何気に働いてくれている身体に目を向けることができるのも利点の一つです。
そして、九頭龍の森の入り口に着きました。小屋を抜けると、視界が広くなり、空の面積も広くなり明るくなりました。
桟橋に寄ると、まだまだ湖面は大きく小刻みに波打ってはいましたが、霧がぬけて向こう岸が見え始めていました。
普段、スマフォやパソコンなどで酷使している目ですが、遠くの緑を観ることで、少しずつ全体の視野も鮮明なものに見えてきます。
ここで出迎えてくれた木は、「ヤマボウシ」でした。ちょうど赤くてツブツブした実がなっており、熟して落ちているものもありました。
落ちている実を味見してみると、周りの皮の厚さからは想像できない「ぬるっ」とした中身、そして甘みも感じてもらいました。
秋は、収穫の秋で、果物も多い季節です。水分も多く含んでおり、これから乾燥の季節にむかう上でも、こうした果物を積極的に摂ることが大切となります。
季節のものを食べるという事は、気候に対しての身体の変化を助けてくれるので、積極的に摂っていきたいですね。
その後の道では、「ヒメシャラ」「アセビ」「リョウブ」など様々な木々の間を幹の感触の違いを感じて頂きながら歩きました。
雨上がりで、ツルツルなヒメシャラの幹は、よりツルツルで瑞々しく、上の方で大きく茂った葉っぱたちが、たくさんの雨水を集め、枝から幹へ、そして自分の根の方に導いている様子もみられました。
また、途中湖畔へ、アスファルトの舗装道路から土の感触を感じながら降りてもらうと、湖に浮かぶ神社の鳥居が、霧に包まれ、とても幻想的な風景が待っていました。
湖面の波も弱まっている場所で、とても落ち着いた波となっていました。
波の揺らぎ、音、水の感触に、より癒し効果を感じ、ついつい長居をしてしまう場所です。
そして、九頭龍神社の本宮の参拝となりました。
箱根でも屈指のパワースポットです。ご利益としては、商売繁盛・金運守護・心願成就・良縁成就など特に御神徳の高き龍神様として信仰されています。龍神様は、水を司る神様であり、雨は吉兆です。皆様を、神様に出迎えて頂きました。
参拝を終えると、ここで折り返しとなります。
行きの道とは違い箱根に多く自生する木々のゾーンの中を歩いていきました。
そこに代表的な「ハコネサンショウバラ」のエリアがあります。開花は6月でしたが、この時期には大きくなった実を多く付けていました。
サンショウという名前が付いているとおり、葉や枝だけでなく実にもトゲが付いています。
トゲは身を守るためにあり、大きく熟すまで中の種子を守っているのでしょう。
その場でしか生きられない植物たちの生きるため繁殖するための工夫の数々、私たちに何かを伝えてくれているかと思います。
また、森の小屋まで帰ってくると、残りは同じ道となります。
お帰りの際には、ブレイクタイムで飲んで頂いたクロモジ茶の原料「クロモジ」を探し、香りを嗅いで頂いたりしながら歩きました。帰路になると、こちらがご案内しなくても、気になった葉っぱを触ったり、嗅いだりしている様子も見られました。
そして、いつの間にか雨も止んでカッパや傘が要らなくなり、空も明るく湖畔の向こう岸の霧は上がってきていました。皆さんの表情も、明るくすっきりしてきているのも印象的でした。
天候の変化もありましたが、同じ道だからこそ気付きがあり、その違いを感じるのも、また面白い体験となったかと思います。
今回、少人数でもあり短時間ではありましたが、様々な体験をして頂けました。
普段、五感を意識したことがなかったので良い体験ができた、一人で歩くのとは違う体験をすることが出来て良かった、日常の中でも自然に触れるようにしていきたいなどの声を聞くこともできました。
一緒に体験した方々で感想をシェアすることでより、今回の体験も明確になったかと思います。
自然は、昼と夜、晴れと雨、月と太陽など、陰と陽、反対に別々に見えますが、お互いに依存しあい、成り立っているものです。そして上手くバランスが取れるようになっています。
私たちの身体も同様であることを忘れてはなりません。自然の中に入り、植物をはじめ自分の周りのたくさんのものが多くの事を教えてくれます。
自然の中で五感を磨くことで、いろいろな自分、体や心の変化にも気付けます。
森の中では、普段の自分とは違った自分に出会えるチャンスです。
次回は、11月10日(日)ふれあいの森での開催となります。
皆様のお越しをお待ちしております。
この記事を書いた人 渡邉綾(森林セラピスト) 森林セラピスト、ホリスティックケアプロフェッショナルスクール認定アロマセラピスト、看護師。
登山が趣味で、森が心身にもたらす効果を直に経験し、森林セラピストとなりました。
医療者として治療だけではなく、予防医療の大切さを実感しています。
看護師として、朝霧高原診療所、日月倶楽部、富士山靜養園からなるWellness unionの一員として、統合医療の社会モデルの現場で勤務。
また、ケアルーム"Naturan"にて、アロマトリートメントによるセラピストとしてクライアントさんのケアにも携わっています。
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