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スマホの外の世界へ 〜いま子どもたちに必要なリアルと自然〜

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スマホの外の世界へ 〜いま子どもたちに必要なリアルと自然〜

スマホから離れられない子どもたち

いま、街を歩いていると気づくことがあります。筆者は、カフェやファーストフード店で原稿を書くことがあります。ファーストフード店は若者が多く、ひとりで時間を過ごしている学生も多くいます。そんな子たちが何をしているかというと、かなりの確率でスマホを見ています。ゲーム・動画・SNSのいずれかといったところでしょうか。本を読んだり、勉強をしている子もいますが、それは少数派です。


視力低下の原因は、デジタルゲームか外遊びの減少か

私たちは生きていく上での情報の8割を「目」から取り入れているといわれています。そして、この「目」が今、大変な危機的状況にあるのをご存知でしょうか?

実際のデータを見てみましょう。
1960年代までは、都内の高校1年生で裸眼視力が1.0未満の子どもの割合は2割台でした。70年代に入り、1978年にはテレビゲームの先駆けであるインベーダーゲームが登場しました。その後、80年代にはゲームウォッチ、ファミコン、ゲームボーイと、デジタルゲーム機器が世の子どもたちをとりこにしていきました。1988年にはテレビゲームの普及がほぼ完了したといわれていますが、この年、裸眼視力が1.0未満の都内の高1生の割合は5割を超えました。そして、今から12年前、パソコンやケータイの普及も進んだ2007年には視力1.0未満の高1生の割合は7割を超え、スマホが広がり始めた2012年にはなんと8割を超える高1生が視力1.0未満となってしまいました。

子どもの「目」の発達には、1日最低でも2時間、屋外で太陽の光を浴びることが不可欠だということが、最近の眼科学会では定説となっています。
また眼球を左右に動かす筋肉も、遠くや近くに焦点を調整するための筋肉も、子どもたちは外遊びの中で発達させてきています。

子どもたちの視力低下が、デジタルゲームの普及や外遊びの減少に影響を受けているというのは間違いないでしょう。


スマホが普及して、自殺率が増加

そしてここにもうひとつ、怖いデータがあります。2017年に発表となった米国、サンディエゴ州立大学のJean Twenge教授らの研究です。
スマホの普及が広がった2010年から2015年で米国の中高生の自殺率は31%も上昇しています。研究によると、自殺念慮や自殺企図経験者の割合は、スマホやパソコンの使用時間によって異なりました。1日の使用時間が1時間未満の中高生では29%でしたが、2時間の子は33%、5時間以上の子では48%と、使用時間が長くなるほど自殺リスクが高まることなどが明らかになりました。

ただし、この結果をもって、スマホやパソコンが自殺の直接の原因だということでは決してありません。自殺を考えたり、自殺企図する理由や原因は様々ですが、自殺リスクの高い子どもたちほどスマホやパソコンに多くの時間をとっていた、ということです。
言葉をかえていうと、「リアルで何らかの危機的状況を抱えているような子どもほど、スマホやパソコンを使い非リアルの世界(ネットやゲームなど)で過ごす時間が長くなる傾向がある」と言ってもいいでしょう。


非リアルな世界で多くの時間を過ごすことのリスク

この問題に取り組んでいる第一人者である清川輝基氏(NPO子どもとメディア代表理事/日本小児科医会「子どもとメディア委員会」特別委員)は、子どもたちがスマホやパソコンを使い、非リアルの世界でより多く過ごすことで出てくる問題点や危険性をあげています。

【スマホ・ネットゲームの長時間接触による問題点と危険可能性】 (清川輝基)
①生活リズムの乱れ
②学力の低下
③外遊びの減少による筋力の低下
④視力低下
⑤自己コントロール能力の低下
⑥言葉の力、コミュニケーション能力の低下
⑦ネット依存、ゲーム障害
⑧体調不良
⑨いじめなどの人間関係トラブル
その他、ネットを介した事件の被害者、加害者、有害情報へのアクセス、課金問題、迷惑メール、チェーンメールによるトラブル、SNSでの危険な出会いなど。

ただし、これらは子どもだけではありません、大人にもあてはまることは多くあるでしょう。
では、ことさらに子どもで何が問題かというと、子どもはこういった問題点や危険性をよく知らなかったり、心身が発達途上にあるため、大人とは比べものにならない程いとも簡単に影響を受けやすいのです。つまり、リスクが高くなってしまうのです。


スマホを置いて、自然とふれあおう

ではこういった状況で、私たちはどうしたらよいのでしょうか?
この問題は大きく深刻なことを抱えていますが、解決策はいたってシンプルです。それはスマホの外の世界に出ること、リアルを多くすることで解決します。ただ、シンプルであっても、その解決は容易ではありません。
「書を捨てよ、町へ出よう」とは作家の寺山修司氏が1960年代後半に出した言葉ですが、2019年の今なら「スマホを置いて、自然とふれあおう」がいいかと思います。
100万人のキャンドルナイトを企画した大地を守る会は「電気を消して、スローな夜を」と言っていますが、この問題でいうならば「スマホを消して、スローな夜を」ということになるでしょう。

子どもたち、あるいは自分自身にも思い当たるところがあるようでしたら、今すぐできることから始めてみましょう。
たとえば、筆者は「iPhoneのスクリーンタイムの設定をして、夜の10時から朝の6時まではスマホを使えない」ようにしています。そうすると、本を読む時間が増えたり、家族との会話も増えました。ちなみに、わが家にはTVもありません。

自然とのふれあいは、ご存知のように私たちの五感をより多く、心地よく刺激してくれます。目の筋肉である視力も気持ちよく鍛えられることでしょう。
現代社会で最も貴重なことのひとつは、自然とのリアルなふれあいであることは間違いないと思われます。


(資料・参考文献)
・東京都教育委員会『平成29年度 東京都の学校保健統計書 定期健康診断疾病異常調査』
・清川輝基・内海裕美(2018)『スマホ社会の落とし穴:子どもが危ない!』少年写真新聞社


この記事を書いた人

新行内勝善(しんぎょううち かつよし)

心理カウンセラー、森林セラピスト、精神保健福祉士。

東京メンタルヘルス社にて、メンタルヘルス相談や、心の病からの職場復帰をサポート。
職場復帰プログラムでは森林セラピーを導入。
また、スクールソーシャルワーカーとして小中学校の子どもたちと家庭をサポート。

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