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シックハウス症候群とアレルギー性疾患と衛生仮説

シックハウス症候群とアレルギー性疾患と衛生仮説
私たちは、新しいものがいい、清潔なものがいい、あるいは見た目がよいものがいい、といったところでやや極端になってしまう傾向があるのかもしれません。

そんな極端さが招いてしまいがちな、心身の不調と、そこからの脱出のヒントについてみていきます。


新居のにおいが不調をまねく

ピカピカの新築住居に入居したての頃に起こることがあるのが、シックハウス症候群です。

住居の建材や家具の接着剤、塗料などに含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤、そして、木材をシロアリから守る防腐剤より発生する揮発性の有機化合物が原因とされています。
新築住居はそれらのにおいが空気中に多くあるために、体調不良を招いてしまうことがあります。倦怠感、めまい、頭痛、湿疹、のどの痛み、呼吸器疾患などが症状としてあらわれます。
新築住居でこうした化学物質のにおいが気になる場合には、窓をよく開け、頻繁に換気をして、原因物質の影響を少なくしていくのがよいでしょう。


衛生仮説:細菌や寄生虫が足りないため?

一方、アトピーや喘息などのアレルギー性疾患と、清潔さとの関連について指摘する研究や報告が多く出ています。

hygiene hypothesis(衛生仮説)という仮説があります。

これは、現代人が清潔さを求めるあまり、また、子どもの頃に細菌や寄生虫にさらされなくなったがために、アレルギー性疾患が増えたのではないか、という説です。

研究を2つご紹介します。

【指しゃぶりや爪かみは悪癖ではない?】
ニュージーランドとカナダのグループが行った、指しゃぶりや爪かみがアトピーを防ぐ、という研究があります。
一般には指しゃぶりや爪かみは、「幼い」「汚い」といった理由から、好ましくないものとされ、そういった悪癖を持つと直されます。
ところが研究では、「幼い」「汚い」とされている指しゃぶりや爪かみがあればあるほど、アトピーにはならない、という結果が出ました。


【農家で育つとアレルギーになりにくい】
また、一般に農家は都市部と比べ「不衛生」とされていますが、その農家で育つとアレルギーになりにくいという研究結果もあります。
オーストラリアを中心にした国際共同研究グループでは、「都会」「郊外」「農家」それぞれで5歳まで育った成人の、アレルギー罹患率を調べました。
すると、アトピーの罹患率は、それぞれ「38%」「31%」「18%」となり、農家で育った子の罹患率が大幅に低かった結果が出ています。

ほかに、アレルギーとの関連では、都会の人々の腸内細菌(バクテリア)の多様性低下も関係していると言われています。
また、同じくバクテリアでは、土壌に生息するバクテリアの一種に抗うつ剤と同じ効果があるという研究結果もありました。


極端な自然忌避とならないように

このように、行き過ぎてしまったかのような清潔志向は、アレルギー性疾患とおおいに関係しているようです。
清潔志向と言いましたが、自然忌避志向と言った方が近いかもしれません。

いずれにしても、自然には私たちにとって大切なものが多くあることは間違いありません。
自然から遠ざかり過ぎている場合には、意識的に自然に接することも必要でしょう。
最後にそのためのヒントを2つご紹介します。


ヒント1:自然が心地よいと感じる感性をとりもどす
「ここ気持ちいいんだよ、お父さん」
筆者が駅前の広場で休んでいると、後ろからそんな声が聞こえました。
3才になるかならないかくらいのその男の子は、「木のすのこ」を5段くらいに重ねて作ったベンチの上に寝転んでいました。
その子が気持ちいいんだよとお父さんに教えてくれたのは、ベンチの木のぬくもりのことでした。



それを見て、子どもには自然のままの感性があり、それをそのまま素直に表現できるのも素晴らしいな、と感じました。
こうした自然が心地よいと感じる感性を私たちも持ち続けていくことができれば、極端な清潔志向から脱することも難しくないのではと思いました。


ヒント2:無人販売所での朝採りとうもろこし
先日、都内にある筆者の行きつけの農家の無人販売所に行って、朝採りのとうもろこしを買いました。
ちょうど、農家のおばあちゃんが、野菜を補充しに来ていて、常連さんと会話を交わしていました。

常連さん「毎日来てるけど、いっつもなくて(売り切れていて)」
農家  「案外日曜日はあるけど、土曜日は売り切れちゃうのよ」
常連さん「とうもろこし茹でて、すっごく甘くて美味しいの。◯◯とかで買っても、それとは全然違うのよ」
農家  「朝採りだから、そのまま食べてもいいんだよ。電子レンジで4分温めてもいいし」

都市部にあっても、こういったご近所から、自然に近づくことができるのだと思います。

是非ヒントも参考にして、自然から遠ざかり過ぎない生活を楽しんでいくと、心身の不調からいつのまにか脱出しているのではないかと思います。

(参考ホームページ)
NPO法人 オールアバウト・サイエンス・ジャパン(代表理事 西川伸一)
http://aasj.jp


この記事を書いた人

新行内勝善(しんぎょううち かつよし)

心理カウンセラー、森林セラピスト、精神保健福祉士。

東京メンタルヘルス社にて、メンタルヘルス相談や、心の病からの職場復帰をサポート。
職場復帰プログラムでは森林セラピーを導入。
また、スクールソーシャルワーカーとして小中学校の子どもたちと家庭をサポート。

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